サンパウロ市ジョン・メンデス広場のサンゴンサロ教会で毎週日曜朝8時から行われる日本語礼拝で、戦時中に日本移民が敵性国民としてサントスから強制立退きさせられた件に関する共同祈願が、30日に初めて捧げられた。
この機会に、立ち退き者をサンパウロ市で支援した渡辺マルガリーダ女史の業績と共に、すでに聖人申請の手続きが進む中村ドミンゴス長八神父のことも参列者約60人は思い起こした。
ミサ終盤の共同祈願で奥原マリオ純さんが壇上に立ち、「ちょうど74年前の今月、6500人の日本人が24時間以内の強制立退きという苦難をサントスで体験しました。第2次世界大戦中の悲劇の時に、上着や食べ物を差入れして助けたのが渡辺マルガリータ女史でした。二度とその様な悲劇が起きないように祈りましょう」と語りかけると、マヌエル神父は「皆さん、一緒に祈りをしましょう」と呼びかけた。
礼拝の最後には、中村神父に対するお祈り、《彼は牧者、旅する宣教者として隣人への愛のため、遠い道程を厭わず、福音の奉仕と人々の回心と魂の救いのために数百の村をめぐりました。彼の謙遜、清貧、労働の模範にあやかる望みを私たちのうちに燃え上がらせてください》がささげられた。
礼拝後の懇親会で、白澤康子ノトブルガ修道女は「共同祈願は皆が心を合わせてお祈りを捧げること。大事なお祈りができ、とても良かった」と喜んだ。
同婦人会の谷口真理さんは、12日夜にパラナ州ロンドリーナで開催された日伯司牧協会50周年記念ミサに参加した時のことを、嬉しそうにこう語った。「赤嶺ジュリオ大司教さまは説教の中で、中村神父同様に、ドナ・マルガリーダにもあなたの願いを祈りなさいと言ってくださいました。初めて司教からそのようなお言葉を聞き、とてもあり難く思いました」。
奥原さんに共同祈願しないかと誘った聖母婦人会の畑中アリッセ会長も「これから毎年やりたい。そして早くドナ・マルガリーダのお祈りの文章も作らなくては」と決意を新にしていた。
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