ブラジル地理統計院(IBGE)は1日、6月の工業生産高は前月と同レベルで増減なしと発表した。
5月の値は前月比1・2%増、4月は前月比1・3%増だった。今回発表された6月の数値が前月比で増減なしだったことにより、今年上半期の工業生産高は累積0・5%増となった。この数値は、年間3%の工業生産増を記録した2013年の上半期以来、4年ぶりの好結果だ。
IBGE産業部門調査のコーディネーター、アンドレ・マセド氏は、「最近の結果を見ると、工業界も若干だが改善してきている様子が見て取れる。しかしながら、工業界が着実な回復への道のりを歩み出したと断定するにはまだ心もとない」と語った。
今年上半期は0・5%増大との評価は、前年同期比でマイナス8・8%を記録した昨年上半期との比較であることを割り引いて考えなくてはならず、「今回の結果は、6半期連続でマイナスを記録した後にようやく出たポジティヴな結果に過ぎないことを忘れてはならない」とした。
前年同月比で見た場合の今年6月の工業生産は0・5%増で、5月に続き、2カ月連続の上昇となったが、5月の4・1%増に比べると上げ幅はかなり小さい。
一方、今年6月時点での過去12カ月間の累積工業生産高はマイナス1・9%だったが、これは昨年6月時点のマイナス9・7%と比較すると改善といえる。6月時点での12カ月累積工業生産高が最後に増大を記録したのは、プラス1・5%だった2013年のことだ。
マセド氏は過去12カ月累積の工業生産高を見ると、16の分野では生産高がマイナスになったが、9の分野では生産高がプラスになった事を上げ、「これは、2014年6月以来、最良の状態だ」と語っている。
マセド氏は、「ブラジル工業界が回復の途上にある事は確かだが、過去最高を記録した2013年6月の実績と比べるとまだ18・2%低い」とも述べ、一層の喚起を促している。(1日付G1サイトより)