7月30日に制憲議会委員選を実行したことに伴い、米国政府がベネズエラのマドゥーロ大統領に対し、米国での銀行口座や私的資産の差し止めを命じた。1日付ブラジル国内紙が報じている。
マドゥーロ氏が米国にこのような口座や資産を持っているかは明らかにされていないが、この命令を出されると、同氏と直接的な関係のある企業や人物との取引ができなくなるため、処分としては重い。
米国政府が同様の処分を他国の国家元首に対して行うのは、2003年のジンバブエのムガベ大統領、11年のシリアのアサド大統領、16年の北朝鮮の金正恩最高指導者に続いて世界で4番目となる。
米国は既に、ベネズエラ経済の要である石油の取引に関しても重大な制裁を加えることも示唆している。また、制憲議会の議員に対しても、今回マドゥーロ大統領に科したものと同様の処分が行われるのではないかと見られている。
この処分に対し、マドゥーロ大統領は「帝国主義の大統領の国外干渉などに従う気はない」と否定した。
また、ブラジルを含む南米南部共同市場(メルコスル)では、反体制派との対話を促すための加盟国からの申し出をマドゥーロ政権が拒否し、7月30日の選挙を強行したことで、ベネズエラの参加資格停止が確実視されている。
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