2日、午前9時から下院本会議で、連邦検察庁が提出した、テメル大統領に対する収賄容疑での告発を受け付けるか否かの審議が行われ、同日夜の投票へと続いた。2日付現地紙サイトが報じている。
審理はまずロドリゴ・マイア下院議長による開会の挨拶からはじまり、その後、この日の手順に対する質問が行われた。
その後、憲政委員会が最終的に承認した意見書を提出したパウロ・アビ・アケル下議(民主社会党・PSDB)が、テメル大統領への告発を受け付けないとの意見書を読み上げた。続いてテメル大統領の弁護人のアントニオ・クラウジオ・マリス・デ・オリヴェイラ氏が、25分間の弁護を行った。
その後の「ディスカッション」では、発言を希望する下議たちが壇上にあがり、それぞれの見解を述べた。そこでは、野党側のジュリオ・デルガド下議(ブラジル社会党・PSB)やイヴァン・ヴァレンテ下議(社会自由党・PSOL)らが、「テメル氏の告発受け入れに賛成する人は今回の投票に参加する必要はない」と説いたため、連立与党側政党が「ディスカッション終了」を求めて紛糾し、14時頃までにはその終了を成立させる投票数に至った。
12時30分過ぎには、この日の投票を実施できる最低限の人数である342人以上の出席が確認された。
だが、その後も、野党側は投票延期を求めて食い下がり続けた。そのため、下議による投票が正式に始まったのは15時21分になっていた。
この投票はまず、告発賛成派、反対派の代表が2人ずつ出てきて壇上で見解を話し、その後に州毎に、順番でひとりひとりの下議が見解を語っていく方式を取った。
まず、告発反対派からはヴラジミール・コスタ下議(連帯・SG)とマウロ・ペレイラ下議(民主運動党・PMDB)が登壇。数日前にテメル氏の名を上腕部に刺青で刻んだことで知られるコスタ下議は、テメル氏が倫理的な人物であることを強調し、告発賛成派を「モラルに欠け、無能」と批判した。
一方、告発賛成派からは前述のヴァレンテ下議とアレッサンドロ・モロン下議(レデ・REDE)が登壇。「テメル大統領存続は汚職擁護と同じ」などと反論した。
これを皮切りに投票が進むはずだったが、議員同士で混乱が生じたりしたせいで、17時半現在も各政党リーダーが党としての方向性などを述べるに止まっており、具体的な投票開始がさらに遅れた。結果が出るのは3日未明になりそうだ。
連邦政府側が告発を阻止するためには172人以上の反対票が必要となる。