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《ブラジル》ルーラ元大統領=アチバイア市の別荘疑惑で被告に=6件目の刑事告発受け入れ=モロ判事の扱いでは3件目

6件目の起訴を受けたルーラ被告(中央)(Ricardo Stuckert)

6件目の起訴を受けたルーラ被告(中央)(Ricardo Stuckert)

 パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は1日、ラヴァ・ジャット作戦特捜班が提出した、ルーラ元大統領に対するサンパウロ州アチバイア市の別荘関連収賄容疑の告発を受け入れる事を決めた。これでルーラ元大統領は6件目の刑事裁判の被告になったと、2日付現地紙が報じた。
 5月末に検察が提出した起訴状には、ルーラ被告とその家族が頻繁に訪れて使用し、事実上保有していたアチバイアの別荘の改修工事費102万レアルを、建設大手のオデブレヒト社、OAS社に肩代わりさせていたと記されている。
 ルーラ被告の他、オデブレヒト社オーナーのエミリオ、マルセロ親子、OAS社レオ・ピニェイロ元社長、ルーラ被告の友人で牧畜企業家のカルロス・ブンライ、労働者党(PT)設立時からのルーラの盟友の息子のフェルナンド・ビッテルら、計13人が贈収賄工作、資金洗浄に加担したとして起訴されている。
 検察は、ルーラ被告が石油公社ペトロブラスとの契約8件に関して便宜を図った見返りとして、オデブレヒト社、OAS社が別荘の改修工事費を持ったとしている。
 モロ判事は起訴受け入れの理由として、「ルーラ元大統領が、別荘改修費用を自ら支払った記録がどこにもない」と強調した。
 告発受け入れの決め手となったのは、ルーラと別荘名義人との関係の〃親密性〃(別荘名義人のフェルナンド・ビッテルはルーラの盟友の息子で、もう一人の名義人と共にルーラの息子と共同で事業を営む関係)、2011年から16年までにルーラ被告が270回も別荘を訪れていた事、ルーラ被告のボディガードが別荘に監視カメラをつけていた事、別荘名義人からルーラ研究所に送られたメール、ルーラ被告と家族の私物が別荘にあった事、ルーラ被告の自宅で、別荘売買契約書の原書が見つかった事などだ。
 モロ判事が扱っているラヴァ・ジャット絡みの告発は3件で、サンパウロ州グアルジャー市の高級三層住宅に関する裁判は7月に結審。ルーラ被告は、収賄と資金洗浄で禁固9年6カ月の実刑判決を受けている。
 次の裁判は、オデブレヒト社によるルーラ研究所建設予定地購入や、自宅の隣のアパートを無料で貸与されていた件で、9月13日に本人尋問が予定されている。