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ブラジルから米国への送金が3倍以上に=有産階級による国外脱出?

 近年、腐敗政治に嫌気が差したブラジル人が国外に移住する傾向が見られ、それが原因でブラジルから米国への送金額が3倍以上になったと、3日付現地紙が報じた。
 ブラジル中銀によると、今年上半期のブラジルから米国への個人送金額は4億830万ドルで、昨年上半期の1億2490万ドルから3・27倍になった。
 この理由の一部は、ブラジルで高収入を得て、米国で暮らすというエリート階層が存在する事実により説明される。
 移住や国外送金関連コンサル会社の共同経営者であるレオナルド・フレイタス氏は、「米国に流れているブラジル人の資金は、彼らが国内に持つ企業の収益や年金、投資による利益などだ。ブラジルの金利はまだ諸外国より高いから、ブラジル国内での投資で利益を上げて、それを米国に送金している」と説明する。
 金融機関IMGグループの共同経営者フェルナンド・メロ氏は、ブラジル人による米国送金の需要の高まりに気付き、一般家庭向けの米国送金プランを作ったと明かした。
 同氏は「1980年代のブラジル人は、仕事を求めて米国に渡り、稼いだ金をブラジルの家族に送金していた。今は、ある程度の資産を持ち、年齢40代前後の経済的に安定した夫婦などが、計画的に移住を進めている」と語る。
 こうした夫婦は、家族で移住する前に、子息を先に米国に送り、米国で教育を受けさせる傾向がある。
 こうしたケースの子供の生活費も、ブラジルからの送金の一部をなしているという。