民主社会党〈PSDB〉は3日、党首停職中のアエシオ・ネーヴェス氏と党首代行のタッソ・ジェレイサッチ氏との会談で、アエシオ氏は停職のままとし、タッソ氏が年内まで引き続き党首代行を行うことを決めた。4日付現地紙が報じている。
アエシオ氏は5月17日のJBSショック後、収賄と捜査妨害の容疑で上議とPSDB党首の停職処分を受けた
だが、上議に関しては7月に最高裁から停職処分を解かれたこともあり、アエシオ氏は来年の大統領選への同党候補への意欲をまだ捨てていない。また、2日の下院でのテメル大統領の告発受理に関する投票の前にもテメル大統領と面会し、党内で告発を拒否するよう勧める役割も担った。
こうしたこともあり、現地紙の中には、「アエシオ氏が影響力を取り戻し、党首に復活するのではないか」と見る向きもあった。
だが、1日と3日に行われたアエシオ、タッソ両氏の対談の結果、アエシオ氏本人が「今はタッソ氏がPSDBを率いるのが最もふさわしい」と現状継続を申し出る形となった。
これにより、タッソ氏は少なくとも、年末に予定されているPSDB全国党大会までは党首代行をつとめることになった。
アエシオ氏は現状通り「停職中の党首」の肩書きで居続けることも確認された。
連邦検察庁は収賄容疑でのアエシオ氏逮捕を再度求めており、8月に最高裁小法廷で審理が行われることになっている。
PSDBは現在、連立政権に止まり続けるか否かで揺れている。2日の下院での投票でも、22人が告発却下、21人が告発受け入れとまっ二つに割れた。タッソ氏は連立離脱にかなり積極的なことで知られている。
今回、PSDBの謀反票が多かったことで、現政権でのPSDBの大臣職をエドゥアルド・クーニャ前下院議長がまとめた会派「セントロン」系の進歩党(PP)や共和党(PR)に奪われるのではないかと囁かれているが、タッソ氏は「それは連邦政府の問題であって、わが党の問題ではない」としている。
なお、アエシオ派は連立与党残留を希望している。アエシオ氏にとって来年の大統領選での最大の党内ライバルは、「社会保障制度改革実現までは連立残留」としているジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事だ。同知事のお膝元であるサンパウロ州選出の下議12人中、11人がテメル氏告発に賛成する投票を行っていた。
このへんが、来年に向けた党内動向を左右する台風の目になりそうだ。
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