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ベネズエラ=メルコスルが参加資格剥奪=「民主主義国家とは言えない」

 マドゥーロ大統領の独裁を進める制憲議会発足で揺れるベネズエラに対し、南米南部共同市場(メルコスル)が同国の参加資格剥奪を宣言した。6日付ブラジル国内紙が報じている。
 この決定は5日にサンパウロ市で行われたメルコスルの外相会議で決定した。ベネズエラは昨年も、メルコスル側が要求した民主主義に関する質問に答えなかったため、資格を剥奪されている。
 マドゥーロ政権は十分な法的手続きを踏まないまま、一方的に制憲議会の議員選挙を実施し、4日に同議会を設置した。また、4月以降の抗議行動激化で反体制派の死者が125人を超えたことや、野党側の指導者逮捕などで、「(メルコスルの参加資格である)民主主義国家と呼べるものではない、との判断に踏み切った」とブラジルのアロイージオ・ヌーネス外相は語っている。
 今回は、同じ左翼政権で、以前はベネズエラの資格剥奪に反対したウルグアイまでもが賛同。同国のロドルフォ・ニン・ノヴォア外相も「これはベネズエラ国民のための決断だ」と発言した。
 その一方でベネズエラでは5日、マドゥーロ大統領に対する不正告発を行ってきたルイーザ・オルテガ検察庁長官を制憲議会が解任するなど、独裁体制が強まっている。
 6日には、マドゥーロ大統領を批判し、体制浄化を訴えた軍関係者2人が体制派の軍人に射殺され、少なくとも8人が身柄を拘束される事件も起きた。