ホーム | 日系社会ニュース | 6年間でゴミゼロを実現!=国内シェア7割のサクラ醤油

6年間でゴミゼロを実現!=国内シェア7割のサクラ醤油

ボイトゥーバ市にある生産工場の様子

ボイトゥーバ市にある生産工場の様子

 1940年創業の老舗醤油メーカーであるサクラ・ナカヤ・アリメントス株式会社は、醤油・味噌を生産するボイトゥーバ工場で、11年から「エコ530・ゴミゼロプロジェクト」を開始し、工場から排出されるゴミゼロを実現した。同社が4つ持つ主力工場の一つだ。
 環境規制の厳格化を受け、従来、業者に委託し処理していた大豆洗浄後の排水や発酵過程で生じる残り粕を、牛や豚等の家畜の飼料に再利用することによって実現されたものだ。
 本事業を成功に導いたのが、同社で20年以上エンジニアを務める本間レナト明さん(52、二世)。本間さんによれば「ゴミ削減のために新たな投資をすることなく、環境に優しいだけではなく、経費削減にも繋がった」という。
 この6年間で、2千万リットルの排水と600万キロの残り粕が再利用された上、水使用の効率化により、900万リットルを削減した。従来、委託業者での処理に要していたおよそ30万レアルの経費も削減に繋がったという。
 なお、同社では遺伝子組換作物は一切使用せず、種子を選別して農業者に渡して生産させているという。主原料は大豆とトウモロコシで、小麦を使用していない。そのためグルテンフリーであることも特徴の一つ。グルテンにアレルギーのある人も安心して使える醤油だという。
 そんなこだわりの製品は外国市場でも好評を博しており、アルゼンチンやウルグアイなどの南米諸国を始め、食品安全認証の要求の高い欧州のイタリアやスイス、日本へも輸出されている。
 国内ではおよそ10万店舗以上で販売され、醤油の国内シェアは約70%を占める。現在は醤油や味噌、チリソースなどおよそ300種の商品を取り揃えている。