ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》メンデス最高裁判事が「ジャノーは史上最低」発言=検察庁長官に対し、異例の侮辱=JBSデラソンで関係悪化=テメルとの蜜月も強まる

《ブラジル》メンデス最高裁判事が「ジャノーは史上最低」発言=検察庁長官に対し、異例の侮辱=JBSデラソンで関係悪化=テメルとの蜜月も強まる

ジウマール・メンデス判事(TSE)

ジウマール・メンデス判事(TSE)

 連邦最高裁のジウマール・メンデス判事は7日、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官を「検察庁史上最低」と罵倒する発言を行った。同判事はその前夜、テメル大統領と会って会合を行っていた。8日付現地紙が報じている。

 メンデス判事は7日、ラジオ・ガウッショ局の番組に出演した際、ジャノー長官のことを、「これまでの検察庁の歴史の中で、最も同庁長官にふさわしくない人物だ。彼は司法的にも感情的にも整えられておらず、(検察庁のような)重要な組織を率いることなどできる状態にはない」と酷評した。
 この発言を受け、全国連邦検察官協会(ANPR)のジョゼ・ロバウリーニョ・カヴァルカンチ会長は、「最高裁判事ともあろう方が、国民の関心事に留意することもなく、検察庁長官を攻撃するとは嘆かわしい」と遺憾の意を表明した。
 同会長はジャノー長官の手腕に関し、「自分の私情を差し挟むこともなく、常に明確な目標を見据えてことに当たっており、国民の支持も得ている」と擁護している。
 メンデス判事とジャノー長官が批判の応酬を繰り返す姿はかつてから目立っていたが、この傾向は、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)において、食肉大手JBS社社主のジョエズレイ・バチスタ氏らの報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を同長官が好条件で認めたことで、より強まった。メンデス判事は元から反デラソン派だった。
 JBS社幹部のデラソンでは、ジョエズレイ氏が莫大な贈賄工作などを告白したにも関わらず、身柄の拘束さえ行われなかったことが話題となり、国民の間からも不満の声があがっていた。
 また、それ以前にトランスペトロ元総裁のセルジオ・マシャド氏が行った、民主運動党(PMDB)上層部によるLJ封印計画なるものを暴露したデラソンが弱かったことも批判の対象となり、つい先日、連邦警察が報奨を取り消す判断をしたことなども、ジャノー長官が批判を受ける理由になっている。
 だが、その一方で、メンデス判事もこの発言の前日の6日にテメル大統領と面会を行っている。しかもそれは、大統領の公式スケジュールには予定されていなかったものだった。7日に記者団に問われたメンデス判事は「大統領制のあり方」などについて話し合ったと述べたが、同判事はテメル大統領と懇意で、政局に大きな動きがあるときなどにはよく会合を持っている。
 奇しくも、テメル大統領も、検察庁からの告発受け入れを下院が却下してから2日後の4日に、「ジャノー長官が9月にいなくなれば、LJはより良い方向に向かうだろう」と発言し、物議をかもしていた。
 メンデス氏は選挙高等裁判所長官も兼任しており、6月に開かれた、14年の大統領選でのジウマ/テメル・シャッパの違反を問う裁判で、無罪票を率先したとして世間からの強い批判も浴びている。