《ブラジル》テメル大統領=ジャノー長官の捜査離脱求める=判断はファキン最高裁判事に=告発への怒りと次への牽制=ラケル次期長官との会合も

テメル大統領は8日、連邦最高裁のエジソン・ファキン判事に対し、JBS関連の捜査から連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官を外すよう要請した。2日に下院が却下した、テメル氏自身への最初の告発への怒りと、近日中に予想される次の告発への牽制を兼ねたものだ。9日付現地紙が報じている。
大統領の弁護人であるアントニオ・クラウジオ・マリス氏は、23ページにわたる書類を提出し、「憲法上の権限を大きく踏み外し、ひとつの考え方だけにとらわれて、大統領を犯罪行為に含めようとしている」とジャノー氏を批判した。
テメル氏側がジャノー氏を大統領が関与したとされる容疑の捜査から外すように求めたきっかけは、2日に下院全体会議で却下されたテメル氏への最初の告発だ。
これは、テメル氏が3月7日に食肉大手JBS社社主のジョエズレイ・バチスタ氏と会った際、IBSの持ち株会社のJ&Fが経済防衛行政審議会(Cade)で抱えていた問題解決のため、側近だったロドリゴ・ロシャ・ロウレス下議(当時)を指名。その後、ロウレス氏が賄賂などの交渉を行い、テメル氏に代わって500万レを受け取ったとするもので、大統領も収賄罪に問われた。
マリス氏は、この告発は、ジョエズレイ氏が録音した会話の内容以外に十分な証拠もなく、その会話も具体性や信憑性に欠けるものであったにも関わらず、推測で容疑を固めようとしたとした。録音内容が暴露され、司法取引が成立した後に鑑定が行われたことなども問題視している。
同氏によれば、ジャノー長官はその結果、憲法上の権限という一線を越えた告発行為を行ったとした。
ファキン判事がこの請求に対する判断を下さなければならない期日は定められていない。ファキン判事が同長官を捜査から外すべきと判断した場合は、ジョゼ・ボニファシオ・ボルジェス・デ・アンドラーダ氏が同件の責任を負うことになるが、次期長官のラケル・ドッジ氏の就任が9月18日に決まっており、そこまでの任期となる。
テメル氏側のもうひとつの目的は、この請求によって、検察側がテメル氏に対して次の告発を行うのを牽制することだ。
検察庁はテメル氏に関し、民主運動党(PMDB)が連邦貯蓄銀行やペトロブラスなどを舞台に行おうとした組織的な贈収賄工作にテメル氏が関与した、もしくはその件も含めた捜査の妨害容疑で告発を行う見込みだ。ジャノー長官は2日、テメル氏をJBSの証言以前に提出したPMDBの組織的な汚職関係者のリストに含めることも要請している。
一方、テメル大統領は8日夜10時頃、ラケル次期検察庁長官と非公式の会合を行ったことが発覚し、様々な憶測を呼んでいるが、次期長官は、就任式の日程などを相談したと説明している。