南マット・グロッソ州リバス・ド・リオ・パルドの農場で、わずか3日間で1100頭の牛が死ぬという事件が起きた。
8、9日付現地紙・サイトによれば、事件が起きたのはモニカ・クリスチーナ農園で、2日から4日のわずか3日間で、出荷直前の食肉牛1100頭が次々に倒れ、死んでいった。
同州は国内有数の食肉牛の産地で、州の動物植物衛生保護機関(Iagro)が調査に乗り出している。牧畜業の専門家によると、国内ではここ数十年、これだけの数の牛が病死した例は報告されていないという。
Iagroによると、獣医学的な見地からの報告書は11日までにまとまる見込みだが、四肢の麻痺や心肺停止といった症状や、サイロで発酵させたトウモロコシからカビが発見された事から、ボツリヌス菌による中毒死との見方が有力だ。
ボツリヌス菌は土壌や海底、湖底などからも検出され、その毒素は毒性が非常に強い。中毒症状は傷口からの感染でも起こるが、今回は大量の牛が死亡しており、餌を介した感染と見られる。
専門家らは一様に、今回の事件は特定の農場で起きたもので、ブラジル産の牛そのもののイメージダウンや広域感染には繋がらないと見ている。
また、ボツリヌス症にかかった牛が屠殺され、その肉が市場に出回る可能性や、消費者が同症に罹患する可能性についても、屠殺前に厳重な検査を行うから心配は無用だという。
今回死亡した牛は皆、屠殺する直前まで育っていたため、被害総額は約200万レアルに上ると見られている。
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