ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》史上初めて、勤続期間保障基金の運用益を国民に還元=70億レアルを入金額に応じて配分

《ブラジル》史上初めて、勤続期間保障基金の運用益を国民に還元=70億レアルを入金額に応じて配分

 【既報関連】テメル大統領が8日、2016年の勤続期間保障基金(FGTS)の運用益の半分にあたるおよそ70億レアルを、各労働者が同年12月31日現在でFGTSの口座に入れていた資金の割合に応じて配分する意向を表明したと8、9日付現地紙各紙・サイトが報じた。
 これは5月に議会で承認された暫定令によってすでに規定されていた措置で、各口座への払い込みは今月末までに行われる予定だ。
 テメル大統領は、およそ70億レアルが労働者へ還元されることと、10日に正式な発表を行うと表明した際に、「誰もこのことを取り上げてくれないのに、口を開けば『政府は国民を顧みない』と批判する」と笑みを交えて語った。
 FGTSの運用益が直接国民に還元されるのは初めてのことだ。FGTSを運用する連邦貯蓄銀行(CAIXA)のジウベルト・オッシ頭取は、「運用益の国民への還元は、そもそも、FGTSの休眠口座からの資金の引き出しを認めた暫定令でも想定されていた。詳細は10日に発表される」とした。
 国民への還元はあくまでも、便宜上、口座に入金されるということで、直接現金で引き出すのには、これまで通りの引き出し条件が適応される。
 引き出しの条件は、住宅購入、定年、正当な理由のない解雇時、3年以上入金が無かった時、病気にかかった時などだ。
 なお、還元対象には、休眠口座の資金を引き出した労働者も含まれる。