今年の3月10日から7月末にかけてブラジル政府が行った、勤続期間保障基金(FGTS)休眠口座資金の開放は、2017年のブラジルの国内総生産(GDP)に、前年比0・61%分の経済効果をもたらすだろうとの試算が、9日に企画省によって発表された。
ブラジルのGDPは2年連続で前年比割れを起こしているが、FGTS資金引き落とし効果で、3年ぶりに前年比でのプラス成長が望まれるという。
9日に発表された試算によれば、FGTSの休眠口座の資金解放は、一般消費者の間での債務不履行を減少させ、新たな負債が増えるのを抑えると共に、景気への信頼感を高めることに繋がるという。
ブラジル連邦貯蓄銀行(Caixa)は7日、FGTSの休眠口座の資金開放で、総計440億レアルが市場に投入され、2590万人の労働者が恩恵を受けたと発表している。
企画省によれば、FGTSの資金は最初に負債解消に充てられたが、その一部は消費に回された。同省は、クレジット保護サービス(SPC)や全国商店主連合(CNDL)のデータを引用して試算を行っているが、これらのデータは国民の債務状況が改善したことを示しているという。
今回の資金開放で、負債の返済滞納者リストや不払い小切手発行者リストから名前が消えた、もしくは負債が減っ他という消費者は、分割払いも含めたより積極的な消費活動を行う事が可能になる。企画省は、スーパーでの買い物や、携帯電話や自動車の購入でFGTSの資金開放効果が確認できたとしている。
企画省は市場に440億レアルが投入された事で、今年のGDPが0・61%押し上げられると見ている。
FGTS効果がなければ、今年のGDPは前年比マイナス0・11%で終わるはずだったが、FGTS効果により、前年比プラス0・50%になるだろうと、企画省は見ている。(10日付エスタード紙より)
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