リオ州工業連盟(Firjan)が10日に発表した調査によると、ブラジル全土の5570市中、少なくとも38%にあたる2091市は、2016年の会計が財政責任法(LRF)に抵触し、罰則を受ける可能性があると、11日付現地各紙が報じている。
昨年は統一地方選が行われ、各市長は、今年からの新市長に健全な状態で市の財政を引き継ぐ義務があった。だが、不況による税収減や拙い財政管理のせいで財政破綻に陥った市は、職員の人件費が規定枠を超え、財務局に会計報告を出すこともままならなくなった。新市政に負債を残した市も715あり、負債総額は63億レアルに上る。
Firjanが分析したのは、財務局に提出された4544市の会計報告で、残り1026市は会計報告が未提出か、分析には不十分なデータしかなかった。
調査対象の86%は、財政状況が「困難」か「危機的」な状態で、「非常に良い」とされたのは0・3%のみだった。Firjanは各市の財政状態を、「自ら収入を生み出す力」、「支出における人件費の割合」、「投資」、「負債の流動性」、「キャッシュフロー」の5部門に分けて分析した。
Firjanのチーフエコノミストで、財政管理指数(IFGF)責任者のギリェルミ・マルセス氏は、「調査結果は非常に懸念すべき内容だった。爆発寸前の爆弾を見ているかのようだ」と語った。
昨年のレパトリアソン(R)法により、国外隠し資産の恩赦のために払われた罰金と税金が、各自治体にも配分されたので、実情よりは「まし」な結果が出ている。
一例は人件費だ。575市は、LRFの定める、「人件費を収入の6割以内に留める」を果たせていない。R法の恩恵分を入れないと、LRFに抵触する市の数は871にもなる。また、R法の恩恵がないと、今年からの新市政に最低限必要な資金を残せなかった自治体数は、715から1043に跳ね上がってしまう。これは犯罪行為で、昨年までの市長には禁固刑の可能性さえある。
マルセス氏は、連邦政府、州政府、市政のどのレベルでも、問題は共通していると語る。人件費に代表される義務的支出が膨れ上がり、財政を圧迫しているのだ。
多くの市は慢性的に、州や連邦政府からの補助金、助成金頼みの体質になっている。調査では、収入における税収の割合が2割にも達していない自治体が82%あることが判明した。北東部ではこの割合が93・2%になる。北部では、ロライマ州都ボア・ヴィスタ市や、アマパー州都マカパーさえもこのグループに含まれているという。
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