サンパウロ市の地下鉄とサンパウロ都電(CMTM)の遺失物預かり所が、サンパウロ州政府の公式サイトを通じ、15日付で最近預かった忘れ物の写真を公表したが、その内容が話題を呼んでいる。
数の上で多いのは、身分証明書や財布、カバンなど、一般的な忘れ物だが、中には一般ではなかなか見られないような、かなり大胆な忘れ物もあった。
その中のひとつは、年代を感じさせ、その写真だけで歴史的価値のつきそうな、セピア色のアルバムだ。被写体となった人の服装から判断すると、写真は皆、1950~70年代のものではないかと思われる。
そして、黒いボディのアコースティック・ギターや、トランペット2本も届けられている。アコースティック・ギターは、ストリート・ミュージシャンが不要として捨てて行ったものか。トランペットは、最近、サッカー・スタジアムで一時禁止されていた鳴り物が解禁となったが、そのときの忘れものだろうか。
身体に関するものでは、脚を切断したりした人には不可欠の義足が届けられている。しかも、ひとつだけではなく、ふたつも。サイズも全く異なるもので、別々の人物のものだと思われる。さらに、どこかの高齢者の忘れものか、入れ歯もみっつ見つかっている。
また、ブラジルの歴史を代表する児童文学作家モンテイロ・ロバート(1882~1948年)の、かなり古い年代の、高い値がつきそうな本や、どこかの教会の備品とおぼしき小型の彫像もある。
だが、一番の驚きは、水道の流し台だろうか。いわゆる公衆トイレの手を洗うところにあるような、非常に大きなサイズのものだ。たしかにこうしたものを売っている店は存在するが、普通、業者が車で持ってくるものであり、仮に購買したとしても段ボールにくるんであるものだが、これがむき出しのまま見つかっているのが不思議だ。
この忘れものの一覧が気になる方はhttp://fotospublicas.com/centrais-de-achados-e-perdidos-metro-e-da-cptm-tem-de-tudo-reunido/で写真を見ることが可能だ。(15日付フォトス・プブリカスより)