サンパウロ市立校ではこの5年で、外国人生徒の数が2倍の4747人になった。サンパウロ州立校を含めると、市内の外国人生徒の数は1万人を超える。国籍は80以上で、彼らの両親は、経済的チャンスを求めて、または政治的危機や戦争を逃れて、サンパウロ市にやってきた。
外国人が多く通う学校では、教師や生徒たちが一緒になって、他国籍の生徒たちが混在する現実に適用する努力を行っている。生徒の2割が外国人という、市内北部のカニンデ地区の初等教育校インファンテ・ドン・エンリケ校の取り組みを15日付現地紙が報じた。
クラウジオ・ネト校長が11年に着任した時、同校では、ブラジル人の子供が外国人の子供を恐喝し、金銭を脅し取りさえする惨状だった。
現状を変えるため、同校長は、外国人の生徒とその親を集め、これまでにブラジルでどんな経験をしたかを聞いた後、その話の中にブラジル人の生徒も呼ぶよう、外国人の生徒たちに求めた。「相互理解が深まることで、暴力は止まった」と振り返る。
同校では現在、多様な人種についての説明を様々な言語で書いたプラカードが壁に貼られている。教師にも生徒にも、お互いをより深く理解しようとする気持ちが深まり、級友にスペイン語を教えるボリビア人の生徒もいる。
言葉を覚えるまでの孤独感は、外国人の生徒につきものだが、それを乗り越えると、彼らはまるで何事でもなかったかのようにしている。同校の生徒たちの中には、新しい学校との違いを聞かれても、社会的背景や宗教の違いには触れたりせず、黒板や机といった物的環境が違うだけと言う子供さえいるという。