本紙で掲載した連載「四世ビザに条件付き賛成?」を読んだ読者から、「世代数の数え方を教えて欲しい」との問合せが編集部に寄せられた。それを受け、在サンパウロ総領事館に確認した。
ブラジルでは一般に、世代が多いほうがより当地に根を張った伝統ある家系だと見られる傾向があるため、両親の世代数の多い方に足す形で勘定される。たとえば「父親が一世、母親が二世だったら、子どもは三世」という具合だ。
ところが「四世ビザ」は日本政府が出すものであり、日本側からの勘定の仕方は異なる。日本の場合、世代数が少ない方を使う。
一世とは「日本人、または日本国籍所有者」のことを示す。日本で生まれて親に連れられた子ども移民、またはブラジル生まれだが、日本国総領事館に出生届を提出して日本国籍を留保した子どもも「一世」だ。その次の世代が二世だ。
両親のどちらかが一世で、どちらかが二世なら子どもは二世になる。両親のどちらかが、ブラジル生まれだが日本国籍を持つ場合も、子どもは二世となる。
その関係から、査証申請の場合は、用意する書類の数や申請に掛かる時間の関係で、世代数が小さいほうの親の書類を用意する。父が二世、母が三世なら父方の書類、その逆なら母方の書類を使う。
例えば、査証申請に必要な書類の一つブラジルの「出生証明書」には、三世代分の名前が書かれている。本人、両親、祖父母の氏名と出身地だ。
だから日系四世が査証申請をするようになった場合、本人だけでなく、親の出生証明書の提出も必要になる。親のそれには一世であるが曽祖父の名前があり、それが戸籍と一致する必要があるからだ。
そのように四世ビザの場合、三世よりも査証申請に必要な書類が増える。つまり、書類を処理する時間が長くなると予想される。
なお、片親が日系二世で、もう片方が非日系の場合、その子は二世である親から数えて三世となる。この場合は、日本式もブラジル式も一緒だ。
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