ブラジルの応用経済研究院(IPEA)が16日、2015年に始まった景気後退(リセッション)の影響で、2014年から15年にかけては410万人が貧困層に転落、極貧層に落ちた人も140万人いたと発表したと同日付現地紙サイトが報じた。
貧困層の人の割合は2011年の12・41%以降、徐々に減り、14年には8・10%に落ちたが、15年は9・96%に増加。極貧層も、3・01%から3・63%に増えた。
15年は景気後退が始まった年で、同年の国内総生産(GDP)は、過去25年間で最大となる、前年比3・8%の落ち込みを記録した。
2010年に定められた基準では、家族1人当たりの月収が最賃(当時は510レ)の4分の1(127・50レ)未満の家庭が貧困、家族1人当たりの月収が70レ未満だと極貧された。
また、11年以降は減少が続いていた、家族1人当たりの月収が最賃の半分以下の境界線と呼ばれるグループも、14年から15年にかけては、22・1%から24・3%に増えている。
15年は、国民1人あたりの月収も2011年以降では初めての前年比割れとなり、平均月収は803・36レから746・84レに減った。
15年は、自治体単位の人間開発指数(IDHM)の平均でも、11年から続いていた成長が止まり、14年と同じ0・761となった。同年は平均余命が75・1年から75・4年に伸び、幼児死亡率が14・4から13・8に落ちるなど、保健衛生関連の指数が0・836から0・841に伸び、教育関連の指数も0・706から0・713に伸びた。だが、所得関連の指数が0・741から0・729に下がり、指数全体の伸びを妨げた。
なお、中銀の経済活動指数(IBC―Br)によると、今年第1四半期のGDPは前期比1・21%、第2四半期も0・25%の成長、IBGEも第1四半期は1%の成長と発表済みで、統計上は景気後退を脱出した。