ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ラヴァ・ジャット作戦=元PTのヴァカレッサ元下議逮捕=下院リーダー時代に収賄=ペトロブラスと米国企業の仲介で=コスタ被告関連で2作戦遂行

《ブラジル》ラヴァ・ジャット作戦=元PTのヴァカレッサ元下議逮捕=下院リーダー時代に収賄=ペトロブラスと米国企業の仲介で=コスタ被告関連で2作戦遂行

逮捕されたヴァカレッサ容疑者(Laycer Tomaz/Câmara dos Deputados)

逮捕されたヴァカレッサ容疑者(Laycer Tomaz/Câmara dos Deputados)

 18日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で二つの捜査が敢行され、ルーラ・ジウマ両政権で下院の政府リーダーも務めたカンジド・ヴァカレッサ容疑者(当時は労働者党・PT)が逮捕された。同容疑者は、ペトロブラスと企業の契約を仲介した見返りの手数料として50万ドルを受け取った疑いを持たれている。18日付現地紙サイトが報じている。

 この日、連邦警察はLJ第43、44弾として「アバテ作戦」と「セン・フロンテイラ作戦」の二つを同時敢行した。両作戦はLJ第1~16弾の捜査内容に基づくもので、ヴァカレッサ氏は前者に絡んでいる。
 アバテ作戦によると、ヴァカレッサ容疑者は、下院の政府リーダー(10年1月~12年3月)という立場を利用し、2010年から13年に米国企業「サージャント・マリン」社がペトロブラスとの間で交わした12件の契約(総額1億8千万ドル)を仲介。同容疑者は、これらの契約を巡るPTへの賄賂、計50万ドルの恩恵を最も受けた人物とされている。
 この贈収賄工作は、LJのそもそもの仕掛け人のひとりで、最初の報奨付供述者でもあるペトロブラス供給部元部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告の供述などによって明らかになった。
 また、ヴァカレッサ容疑者は、トルエンを扱う企業であるキンブラ社に便宜を払い、ペトロブラスの企業秘密というべき情報を伝えて、金を受け取っていた疑いも持たれている。
 この日、ヴァカレッサ容疑者はサンパウロ市東部モオッカの自宅で逮捕され、パラナ州の連邦警察に連行された。自宅からは12万2千ドルの現金も見つかっている。
 なお、ヴァカレッサ氏は昨年PTを離党し、ブラジル労働者党(PTdoB)に移籍していた。
 一方、セン・フロンテイラ作戦は、ペトロブラス供給部が2009年から13年にかけて、ギリシャの企業二つと結んだ石油輸送船の契約を巡って行われた贈収賄工作に関するものだ。
 ここではコスタ被告に加えて、その2企業の共同経営者や理事を務めていた、ブラジル駐在のギリシャの名誉大使コンスタンチノス・コトロナキス氏も絡んでいると見られている。
 この契約では、計5億ドルにも上る契約金の最低2%が、賄賂として政治家やペトロブラスの職員、金融業者らに手渡されたと見られている。コスタ被告はその報奨付供述で、コトロナキス名誉大使から53万ドルの賄賂を受け取ったと明かしている。
 この二つの捜査では、計6人が一時逮捕された他、11人の強制連行と事情聴取と、29カ所の家宅捜索が行われた。一時逮捕者の中には、ペトロブラスの元役員も3人含まれている。