19日にサンパウロ州イーリャベーラのヴェルメーリョス劇場で行われた「ミス・ブラジル2017」の選考会で、ピアウイ州代表のモナリザ・アルカンタラさん(18)がミスに輝いた。
モナリザさんは14歳の頃から、北東部の小さな州、ピアウイで少女モデルをやっていたが、本人いわく「2015年まではミス・ブラジルなど考えたこともなかった」という。
だが、地元で「ミス・ティーン・ピアウイ」のコーディネイターを務めるエルトン・カルヴァーリョ氏に出場を薦められた時から、モナリザさんの運命は変わった。彼女は2016年、「ミス・ティーン・ブラジル」のピアウイ州代表となり、全国大会でも準優勝を飾った。
モナリザさんは今年1月に、ミス・ユニバースの出場権を持つ、ミス・ブラジルの対象年齢となる18歳になったばかりで、ミス・ピアウイに輝き、いきなりミス・ブラジルへの挑戦となった。
ミス・ブラジルにおいても、モナリザさんは177センチの長身と、体重57キロ、ウエスト69センチという抜群の体型で勝ち上がり、リオ・グランデ・ド・スル州代表のジュリアナ・ムエレールさん(25)やサンタカタリーナ州代表のステファニー・ピムさん(23)などを抑えて優勝となった。
ミス・ブラジルで黒人女性が選出されたのは、1986年のデイゼ・ヌーネスさん、昨年2016年のライッサ・サンターナさんに次ぐ2年連続3年目の選出となった。
モナリザさんのミス・ブラジル入選では、22年ぶりとなる18歳での優勝を可能にした美貌とプロポーションをただただ絶賛する声も多かったが、その反面、人種差別的な反応もネットでは目撃された。
その中には、その他の典型的な白人候補者の写真をモナリザさんの隣に貼って、「どちらが美しい?」とするものや、近年、大学などで導入された黒人学生の入学割当などと比較し、「黒人を優遇しないといけないからね」と皮肉を言う人、また、今回、地毛の細かい縮れ毛を大きく膨らませて選考会に臨んだモナリザさんの髪型を批判(昨年のライッサさんは緩めのパーマヘアだった)する声まであった。
今年で57回を数えるミス・ブラジルの歴史をひもといてみると、ミスを最も多く送り出した州は、世界的スーパー・モデルのジゼリ・ブンチェンを生み出し、ドイツ系移民の多い南部のリオ・グランデ・ド・スル州が13回と圧倒的に多い。
過去のミス輩出州ランキングでも、白人の多い南東部、南部が上位6州を独占し、黒人、褐色系の多い北東部は弱い。モナリザさんのピアウイ州は、上位5人に入った人すら出ていなかった。
モナリザさんの今回の優勝は、そうした意味においても、ただ単に人種という点においてでなく、地域の観点からも快挙だった(デイセさんはリオ・グランデ・ド・スル、ライッサさんも南部パラナ州代表だった)。
モナリザさんはこの後、ミス・ユニバース(開催日未決定)にブラジル代表として参加する。(20日付G1サイトなどより)