最高裁第2小法廷は22日、元大統領のフェルナンド・コーロル上院議員に対する連邦検察庁からの告発受け入れを決めた。同上議はこれで、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)での収賄容疑などで被告となり、1992年の大統領罷免に次ぐ、不名誉な事態となった。23日付現地紙が報じている。
コーロル氏に対する容疑は、2010年から14年にかけて行われていたとされる収賄と資金洗浄、犯罪組織形成の三つで、公金横領と捜査妨害については裁判の対象から外された。
告発の基となったのは、ペトロブラス子会社のBRディストリブイドーラ(BRD)のガソリンスタンドをデリヴァードス・ブラジル社に移管する契約や、BRDの燃料配給基地建設に関連する四つの契約で口を利いた見返りとして、基地建設を担当したUTCエンジェニャリア社から賄賂を受け取っていたとの報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)だ。
この疑惑が最初に明らかになったのは15年2月で、ラヴァ・ジャット作戦の仕掛け人である闇ブローカー、アルベルト・ユセフ被告による報奨付供述によって世に知られるようになった。
同年7月には、この供述を基にLJのポリテイア作戦が行われ、コーロル氏の自宅や議員邸が家宅捜査にあった。同作戦では、姿を変えた賄賂の一部とみなされた、フェラーリを初めとした高級車3台も押収された。
検察庁から最高裁への告発は最初、15年8月に秘密裏に行われ、16年10月に公にされた。その際のコーロル氏の罪状は、2900万レアルの収賄に資金洗浄、公金横領などだった。検察側は16年3月に告発の内容を拡大しており、22日の審理の材料となった報告書には、収賄の回数は30回に上り、資金洗浄の回数は376回だったとされている。
今回のコーロル氏に対する判断は最高裁の第2小法廷で行われ、LJ報告官のエジソン・ファキン判事による「被告にする」との報告に、リカルド・レヴァンドウスキー、ディアス・トフォリ、セウソ・デ・メロの各判事が賛同を示し、賛成多数でコーロル氏は被告となった。
また、コーロル氏と共に、オペレーター役を務めたとされるペドロ・パウロ・ベルガマッシ氏、コーロル氏の企業の運営者のルイス・エドゥアルド・アモリン氏も被告となった。
LJの被告となった現職上院議員としては、労働者党(PT)のグレイシ・ホフマン氏、民主運動党(PMDB)のヴァウジール・ラウプ氏に次ぐ3人目となる。
コーロル氏は、92年に大統領罷免処分を受けた際も収賄容疑で告発されていたが、有罪にはなっていないため、「元大統領に対する有罪判決」という意味では、今年7月のルーラ元大統領の収賄疑惑に関するものが史上初となる。
コーロル氏は大統領罷免後、2006年の選挙で上議となっており、現在は3期目だ。