サンパウロ州立総合大学法学部は、ドイツ・ハンブルクに所在する国際海洋法裁判所の柳井俊二判事(80、東京都)を招き、『国際海洋法裁判所20年と国際法の漸進的発展への寄与』と題し、24日午前10時から、サン・フランシスコ広場同法学部キャンパス内会議室(Largo São Francisco, 95 )で講演会を行う。参加無料。言語は英語のみ。
同法学部の創立190周年記念事業である国際会議の一環として行われる今講演は、二宮正人同大法学部博士教授の協力により実現した。
同裁判所は、94年に発行した国連海洋法条約に基づき、96年に常設。以来、付託された訴訟案件はおよそ25件で、海洋に関する紛争の平和的解決と法の支配を強化するため、同裁判所が果たす役割は益々増大している。
柳井判事は61年に外務省に入省し、外務事務次官、駐米大使等を歴任し、02年に退官。05年、同裁判所の裁判官選挙で当選し、11年には日本人としては初めて裁判所長に選出された。14年選挙で再選し、現在は2期目を務める。
講演では、これまでの判例の紹介を通じて、同条約に含まれる曖昧な規定がどのように解釈され判決が下されてきたかを中心に、いかに同裁判所が国際法の漸進的発展に寄与してきたのか、その軌跡を振り返る。
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