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《ブラジル》2時間半で1件の集団強姦=暴行被害の女性は500人/時

 保健省によると、2016年は複数犯による強姦事件が3526件発生し、2時間半に1件の集団強姦発生と、20日付現地紙や23日付現地紙サイトが報じた。
 全国の医療機関が届け出たデータによると、2015年の集団強姦は3132件だから、12・5%増となる。2011年と比べると、その数は124%増となる。
 人口数上位3州での集団強姦事件数は、サンパウロ州709件、ミナス州408件、リオ州243件で、計1360件に達した。
 人口10万人あたりの事件発生数(発生率)の平均は1・71件だが、アクレ州は4・41件、トカンチンス州は4・31件、連邦直轄区は4・26件と群を抜いている。
 逆に、パライバ、北大河、マラニョン、セルジッペ、バイーアの各州は、集団強姦の発生率が10万人あたり1件未満(0・23~0・82)と低かった。ただし、発生率が低い=事件数が少ないなのか、病院に行った被害者の数や自治体からの届出数が少ないだけなのかは定かではない。
 警察などに届出があった強姦事件(単独犯も含む)は2万2804件で、1日に60人強が被害に遭った事になる。
 3月に発表された国際婦人デー関連の統計によれば、ブラジルでは16年に、16歳以上の女性440万人(9%)が肉体的な暴行に遭っており(1時間あたり503人)、侮辱や罵倒などの言葉による暴力を受けた1220万人とあわせると、29%の女性が何らかの形の暴力行為の被害に遭った。暴行を加えると脅された人は500万人、迫害された人は460万人いた。
 暴行や脅迫には、ナイフや銃を突きつけて脅されたが4%、何かを投げつけられてケガをしたが4%、殴られたり首を絞められたりしたが3%、含まれている。
 また、路上での野次や交通機関での痴漢行為などの被害者も、2040万人と520万人おり、職場でのセクハラ被害者も690万人いた。
 これらのデータは皆、医療機関や警察からの報告をまとめたものだ。強姦事件数は病院からの報告の集計だが、報告を義務付けられたのは2011年なのに、30%の自治体はまだ報告書を出していないなど、正確な実態把握は困難だ。また、事件数の増加=犯罪事件増加なのか、届出数の増加なのかも捉え難く、集計された数字は今も、氷山の一角といえる。