汎ズットラ花卉生産者協会(AFLORD、蒔田勉会長)主催による『第26回アルジャー花祭り』が、同市内のアフロード展示会場(Av. PL do Brasil, km 4,5, Fazenda Velha, Aruja)で19日に開幕した。
「花の美しさとサーカスの陽気さが織り成す世界に来場客も魅了されることだろう」―。同日午前10時から行われた式典で、『花のサーカス』をテーマにした今回の展示に、蒔田会長は自信を滲ませた。
70余人の花卉生産者が8つに分かれ、ピエロや空中ブランコなどサーカスにちなんだものを2千種に及ぶ色とりどりの花々で飾りつけた。3カ月前から下準備を開始し、活きた花を使う必要があるため、3日間で飾りつけを完成させた。
式典は、アチバイア川筋清流太鼓による圧巻の演奏で幕を上げ、先人の遺徳を偲び一分間の黙祷が捧げられた後に、日伯両国歌が高らかに歌い上げられた。
祝辞を寄せたヒカルド・ミランダ・アヴェルサ南東軍参謀長は、「より美しい自然の表現を愛でることができる」と期待を語り、ルイス・カルロス・ゴンジンサンパウロ州議も、「この国を支え動かしているのは農業。新種の花を生産し、新たな文化を生んでいるこの祭は地域経済を動かすお手本」と称賛した。
そのほか、ジョゼ・ルイス・モンテイロ同市長、森田聡在聖領事ほか、日系団体代表者らが出席した。
展示のほか、会場では舞台での種々の演目、日本食や雑貨類が扱う50近くの出店や、花卉類の即売会で活況を呈した。今回目玉となったのが、新商品の桔梗。純白、ピンク、紫の3種を取り揃え、当地では珍しい星型の花に注目が集った。
花の種類毎に品評会も行われた。今回、盆栽部門で3度目の受賞を獲得した玉腰範義さん(85、愛知)は「この道三十年。盆栽をやっているのは私くらいなもんですよ」と喜びを語った。
今回受賞したのは30年物の盆栽。当地では、松を育成するのが難しく、代わりに真柏というヒノキ科の常緑針葉高木を使用。「本当に良いものを育てようと思ったら100年かかる。地味だけど、若いうちからやってみたら面白いんじゃないか」と豪快に笑った。
大坪満次副会長は、「元々は農業技師を雇うなど維持費を捻出することが祭りの目的だった。今では生産者が一堂に会することで、売れ筋や栽培技術など情報共有の場としても重要に。共同で苗や種を購入したりしている」と意義を語る。
「花卉生産は不況の煽りを受けやすいと思われているが、意外と不況に強い。冠婚葬祭のあらゆる場面で花は必要とされている。花をプレゼントするだけで相手の気持ちも朗らかになる。恋人への贈物にしてみては」と来場を呼びかけた。
開催日は、26、27日、9月2、3日の午前8時半?午後6時。入場料は26レアル(前売り20レ)、8歳以下無料、60歳以上と学生は半額。問い合わせは同会(11・4655・3006/4277)まで。