フランスの国立社会科学系大学「社会科学高等研究院」(EHESS)のモニカ・ライサ・シュプン教授(ブラジル人)が、「戦争中のサンパウロ市における日本移民迫害」を調査するために今月始めから滞在し、戦時中にサンパウロ市に住んでいた日本移民、日系人を探し、当時の体験談を集めている。
1941年7、8月にヴァルガス独裁政権によって日本語をはじめとする外国語新聞は廃刊させられたため、戦争中の記録はほとんど残っていない。
「終戦直後の勝ち負け抗争や邦字紙がある時代のことはかなり調べられている。私は今まで未開拓だった戦争中に関する調査をし、本にまとめるつもり。すでに30人ていどインタビューした」とのべた。
さらに「ブラジルと文化が似通ったイタリア移民と違い、ドイツ移民と日本移民は戦争中に特に迫害された。ブラジル政府はつねに同化主義を採ってきた証拠が、日本移民史には刻まれている。もっと協力者がほしい」と呼びかけた。
1942年7月のサントス強制立ち退き者に関する調査もしている。
情報提供はモニカさん本人(電話/11・99404・7723、メール/moschpun@ehess.fr)まで。