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デカセギ子弟と同じ経験もつ中川さん

 『カエル・プロジェクト』代表の中川郷子さんは1957年、中国人の父と日本人の母の間に生まれ、生後5カ月でブラジルに渡った。
 公立小学校に入学するが、ポ語が話せず教師から難聴を疑われ、特別支援クラスに入れられた。母親はそのことを学校から知らされず、入学から3カ月経っても娘がノートに何も書いてないと学校に相談。初めて娘が特別支援クラスに入っていることを知った。
 健常者のクラスに替わった後は勉強に力を注いだ。「勉強が出来できれば友達ができると思っていた。もともと何か覚えるのは好きだった」と振り返る。努力が実を結び、3年生の終わりごろには学内で1番の成績に。同級生たちは授業で分からないことがあると中川さんに聞くようになり、友達もできるように。
 中川さんは、支援する子供たちと同じような経験を持つ。だからこそ子供の苦悩が分かるし、寄り添えるのだと思わず納得した。(陸)