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大耳小耳

 詩歌サロン「ふろんていら」(伊那宏発行)54号が8月に刊行された。短歌《小雨降るバスの窓よりふと見しは眼鏡盗られた上塚胸像》(水野昌之)、《帰化もせず日本語だけに徹し来て余生楽しむ日本文芸》(須賀得司)など。論考「川柳寸感」(青井万賀)では、コロニア川柳に「軽み」がもっとあって良いのではとの声に対して《現在では、いわゆる〃移民思想〃が生み出した生活意識によって作られる川柳、相互が心から理解し合える川柳が定着している》、《色気とは甚だ無縁な、万人が共感できる生活句や人情句が主流を成し、「孫川柳」「幸せ川柳」を含めたもっとも手近な題材が多く詠まれているのが現状である》との解説も。川柳《へそ曲がり渡る世間は壁ばかり》(平谷伊佐遺句集)。