今年の1~6月にブラジル在住者が国外に送金した金は、昨年同期比74%増の9億3570万ドルで、上半期としての史上最高額を更新した。
ブラジルはまだ、史上最長のリセッションから抜け出し始めたところだが、近年はブラジルへの移民が増えており、国外在住のブラジル人からの送金との差は、だんだん小さくなっている。
中央銀行のデータによると、国外送金最多はベ米国向けだが、伸び率が最も高かったのは、昨年同期比で89・4%増えた、ボリビアへの6270万ドルだ。
ボリビアへの送金は、母国より良い給料に惹かれてやって来た、服飾関係で働く労働者によるものが大半だ。ボリビア人は、サンパウロ市だけで5万人以上いるという。
ボリビア同様に送金額が急増しているのは、昨年同期比で89%増えた、中国への4450万ドルだ。
送金額の伸び率での3位は、61・5%増えたペルーへの2390万ドルだ。送金額では5位に入るハイチ(3780万ドル)は、地震で移民が始まった時以来、継続して送金額が増え続けているため、伸び率は12・2%に止まった。
国内在住の外国人による母国への送金急増は最近の傾向で、ハイチの場合、2010年上半期の送金額はゼロ。ボリビアへの送金も、同年上半期は現在の6%の400万ドルのみだった。
送金先は母親か妻が多く、母国においてきた家族への送金が中心である事がうかがわれる。ハイチへの送金は、毎月7千回行われているという。
ハイチ人やボリビア人の月々の平均送金額は、下が200~300ドル、上は620~940ドルだが、非正規雇用の移民達は、月に何度か送金する例も多く、50ドル程度の小額を送金する事もままあるという。
送金を請け負う業者によると、ボリビア人達は、送金時にすぐ家族と連絡をとり、家族がお金を受け取った事を確認してから店を出るという。
移民による送金とはやや毛色が違うが、同様に増えているのは米国への送金だ。ブラジル在住の米国人による送金はもちろんだが、米国で勉強している子供への送金もそれなりに増えているという。(8月29日付エスタード紙より)