ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》連邦政府=財政目標の変更成立ならず=出席議員の定数不足で=変更前の目標で予算案提出=「変更後に調整する」とジュカ上議

《ブラジル》連邦政府=財政目標の変更成立ならず=出席議員の定数不足で=変更前の目標で予算案提出=「変更後に調整する」とジュカ上議

11時間に及ぶ討議の末、上下両院本会議は5日に再開となった。(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

11時間に及ぶ討議の末、上下両院本会議は5日に再開となった。(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 【既報関連】8月30日に開かれた上下両院の合同本会議は、11時間に及ぶ議論の後、2017年と18年の基礎的財政収支の政府目標を、1590億レアルまでの赤字に引き上げるための政府案を採決するために必要な出席議員数が足りないまま、8月31日の明け方に終了したと、同日付現地紙サイトが報じた。

 本会議では、17、18両年の予算における目標変更の基本案(以下、「変更案」)は承認されたが、修正動議の分析が終わらず、5日に審議再開となった。
 毎年、8月31日は政府が議会に来年度予算案を提出する期限だ。変更案が正式に議会を通過しなかったため、政府は31日に2018年度の連邦基本予算法(LDO)を、基礎的収支の赤字許容額1290億レアル以内という、変更前の数字のままで提出しなくてはならなくなった。
 8月17日に政府から出された変更案は、野党から強く批判された。野党は本会議自体を延期させるために、何度も異議の申し立てや、投票のやり直しを請求したりして本会議を長引かせた上、出席議員を減らしたり、採決成立の定数に届かなくさせたりして、変更動議の審議は先送りさせた。
 本来、17年と18年の財政目標は、基礎的収支をそれぞれ、1390億レアル(17年)、1290億レアル(18年)以内に収めるというものだった。しかし、税収が想定したよりも伸びず、目標達成が難しくなったとして、政府側は17年も18年も赤字限度額を1590億レアルに変更することを望んでいる。
 30日の本会議は午後4時半に始まった。まず議員たちは、変更案の分析の前にテメル大統領によって出された拒否権について議論し、多くはそのまま承認された。午後10時5分に、上下両院の議員たちは、基礎的財政収支の赤字についての議論を開始した。
 日付が変わって、8月31日の午前0時49分に変更案が1度は承認されるも、野党側が出席人数の確認を求めるなどして投票はやり直しになった。
 大幅に遅れての変更案承認の後、今度は修正動議の個別採決を行ったが、二つが終わらない内に、採決成立のための定員257人を割りこんでしまったため、午前3時40分に、エウニシオ・オリヴェイラ上院議長は本会議を終了した。
 深夜に各上議たちに直接電話までして、定数確保に躍起になったが、それを果たせなかった上院政府リーダーのロメロ・ジュカ上議(民主運動党・PMDB)は、「18年予算は一旦、期限内に提出し、赤字限度の変更を待って調整を行う。何も問題はない。我々は政治的に負けたのではなく、体力的に負けただけ。40人に及ぶ与党側議員が、深夜に及んだ議会に出席できず、採決成立のために必要な規定の出席人数に届かなかっただけの事だ」と語った。