国連ハイチ安定化ミッション(Minustah)で、13年間ハイチに駐留したブラジル軍が8月30日に、最後の巡回警備を行ったと8月31日付ブラジル国内各紙が報じた。
巡回はシテ・ソレイユという15万人(30万人と報ずるメディアも)が住むスラムで行われたが、ブラジル軍は6月に警備拠点をハイチ警察に引き渡しており、今回の巡回は報道陣向けの形式的なものだった。
シテ・ソレイユの治安は安定しているが、まだ危険地帯に指定されており、記者たちには防弾チョッキやヘルメット着用が義務付けられた。同地域の貧困は凄まじく、衛生状態も悪い。多くの大人には職がなく、子供たちは、外国人と見ると、お金や食べ物をねだった。
軍施設で清掃員として働き、ポルトガル語を解するルベールさんは、ブラジル軍が撤退したら問題が再発するのではと語った。軍撤退により職を失い、朝から何も口にしていないと語る同氏は、兄弟を頼り、11月にブラジルに移住するつもりだ。巡回中、人々はおおむねブラジル人に対して親近感を示したが、敵意を示す人々もいた。
駐留のブラジル軍950人の内、85%は9月15日までに撤退する。10月15日には、警察を訓練し、司法の質を向上させるための、より小規模な任務にMinustahは代替される。
調査機関イガラペの代表者ロベルト・ムガーさんは、「ブラジル軍を始めとするMinustahがハイチ復興に果たした役割は大きい。しかし、多国籍からなる国連軍の一部兵士が起こした幼女陵辱事件は、Minustahの汚点」と語った。
任務最終日となる8月31日には、ブラジルのラウル・ジュングマン国防相も出席して式典が行われた。