食肉大手JBS社主のジョエズレイ・バチスタ氏が8月31日、政治家との会話を録音した新たな録音テープを連邦検察庁に提出した。1日付現地紙が報じている。
ジョエズレイ氏が検察庁への報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を裏付けるために録音テープを提出するのは、少なくとも2度目だ。
5月17日に内容が漏れたテープには、テメル大統領やアエシオ・ネーヴェス上議との贈収賄工作が疑われる内容が録音されており、ブラジル政財界に激震が走った。また、その内容が漏れたことで、両政治家のイメージは著しく損なわれた。
ただ、当初から、その録音テープに編集が加えられた可能性が疑われたことや、明確な証拠がないままに1千人を超える政治家への巨額の贈賄を暴露したこと、それほどの犯罪を犯したにも関わらず、恩赦が与えられる形で現在もニューヨークで生活していることなどから、デラソンの信憑性を疑問視する声はかねてから根強い。このため、最高裁のラヴァ・ジャット報告官、エジソン・ファキン判事が、8月31日までに供述の内容を裏付ける証拠を提出するよう命じていた。
ジョエズレイ氏の知人によると、今回の録音は衝撃の新事実を暴露するようなものではなく、5月に漏洩した録音の内容を裏付けるものに過ぎないという。
また、これに合わせて、1081人にも及ぶ政治家の秘密口座への賄賂分配表や、国外にある政治家やロビイストたちの口座への入金記録なども提出されたという。
だが、ファキン判事は1日、ジョエズレイ氏に対し、証拠の提出期間をさらに60日間、延期することを決めた。
仮にこれらの証拠をもってもデラソンの内容が証明できない場合は、ジョエズレイ氏と検察庁との間で結んだ司法取引は無効となり、デラソンそのものも無効化される可能性が出てくる。