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《ブラジル》ドリア氏がPSDB離党し、大統領選出馬?=エスタード紙で注目発言=アウキミンとの争い避け=最近の気になる外遊ぶりも

1日、フランスのマクロン大統領と面会するドリア・サンパウロ市長(@jdoriajr)

1日、フランスのマクロン大統領と面会するドリア・サンパウロ市長(@jdoriajr)

 サンパウロ市のジョアン・ドリア市長〈民主社会党・PSDB〉が、PSDBを離党して大統領選に出馬する可能性をほのめかした。2、4日付エスタード紙が報じている。

 ドリア市長は4日付エスタード紙の取材に答え、自身が政治家として立つにあたっての恩師とも言うべき、サンパウロ州のジェラウド・アウキミン知事と、PSDB内で大統領候補選を争う可能性に関し、「党内の予備選は支持するが、アウキミン氏と争うつもりはない」との意向を示した。
 2日付エスタード紙の報道では、アウキミン知事が先週表明した、大統領選出馬に向けた強い意志表明について尋ねられたドリア市長が、訪問先のパリで、知事の意向を尊重しながらも、「PSDBの候補は国民の声で決めるべきだ」と発言し、波紋を投げかけた。それは世論調査でのドリア氏への支持率が、アウキミン氏のそれを上回り続けているためだ。
 同市長は4日付のエスタード紙の取材でも、大統領候補決定の際、「国民の声は重要か?」との質問に対し、「重要どころか絶対だ」と、その意向をさらに強調した。
 だが、ドリア氏が、そう発言しながらも、アウキミン氏との争いは避けたいとの受け答えを行ったために、同紙記者が、「では、PSDBを離党する可能性はあるのか」と質問を行ったところ、ドリア氏は「そのような状況になるまでは党にいる」と答え、その可能性を否定しなかった。
 実際、ドリア氏に対しては、テメル大統領の民主運動党(PMDB)とロドリゴ・マイア下院議長の党でPSDBの同盟党の民主党(DEM)も大統領選候補にならないかと誘ったとの噂も浮上している。ドリア氏は「今は別の党に移るつもりはないが、喜んで迎えてくれる党があるなら、話を聞く耳もある」「その2党以外にも、必要なら道を開くと約束してくれた党が二つある」と答えている。
 サンパウロ市を代表する富豪企業家で、そのフレッシュな印象と市民へのアピールのうまさで昨年の同市市長選を圧勝したドリア氏は、市長就任後も高支持率を獲得し、その期待感から「18年は大統領候補に」との声もあがりはじめていた。
 だが、ドリア氏は7月頃まで、アウキミン氏の立場を立て続けていたことから、18年の選挙ではドリア氏がサンパウロ州知事選に出馬するのではないかと見られていた。
 だが、8月はテメル大統領と面会したり、大統領選のライバルと目されるルーラ元大統領の北東部キャンペーンと並行して北東部めぐりを行い、DEMの代表的政治家であるバイア州サルバドール市長のACMネット氏の行事にも参加したりして話題となっていた。
 今回のフランス行きでも、財界の強い支持を受けて大統領になって話題のマクロン大統領に面会しており、今月の後半には、同じ企業家出身のマクリ大統領(アルゼンチン)と面会する予定も組まれている。