ブラジル連邦警察は5日、ラヴァ・ジャット作戦の一環として「テゾウロ・ペルジード」作戦を行い、元大統領府総務室長官のジェデル・ヴィエイラ・リマ容疑者(民主運動党・PMDB)が借りていた物件から、大量のスーツケースに隠されていた多額の現金を押収した。5日付現地紙サイトが報じている。
今回のテゾウロ・ペルジード(失われた宝)作戦は、今年の1月に行われた「クイ・ボーノ作戦」の第2弾的内容だ。
クイ・ボーノ作戦は、ジェデル氏が連邦貯蓄銀行(CAIX)の法人部副総裁を務めていた2011~13年頃に、企業への融資を円滑に行うよう働きかける見返りに、賄賂を支払わせていたとされる件を扱っており、その賄賂は、ジェデル氏本人や、後に下院議長になったエドゥアルド・クーニャ被告、PMDBのロビイストのルシオ・フナロ被告らが受け取っていたと疑われている。
ジェデル氏は、フナロ被告の報奨付供述を妨げようとして同被告の妻に頻繁に電話をかけたりしたことで捜査妨害容疑に問われ、7月に逮捕された上、8月に被告となった。現在は人身保護令が適用され、自宅軟禁の状態だ。
今回の捜査は連邦直轄区の連邦裁判所第10法廷の許可の下で行われ、ジェデル氏の邸宅などの家宅捜査も行われた。
すると、バイア州サルバドール市グラッサ区にあり、父親の遺品保管のために貸してもらっていたはずのアパートから、現金がぎっしり詰まったスーツケースや段ボール箱が大量に見つかった。
連警は、ジェデル容疑者がこのアパートを、収賄で得た金や証拠物件を隠しておくための倉庫代わりに使っていたのではないかと見て調べている。
ジェデル氏はテメル氏最大の側近として知られ、テメル政権の「三本の矢」のひとりとも称されていた重要閣僚だったが、当時の文化相に圧力をかけ、自分が購入したアパートの入っているビル建設のための許可を取ろうとしたことが明るみに出て辞任した。
今回の作戦で押収された現金は、銀行で数えた後に、司法当局の口座に入金される。