1980~90年代にブラジル連邦政府が採用した経済政策で損害を被った人々が起こした賠償請求について、銀行や預金者の話し合いが続いているが、賠償金の支払額は80~160億レアルに上る見込みと5日付現地紙が報じた。
30年以上にわたって問題となっているのは、ブレッセル、ヴェロン、コーロルⅠ、コーロルⅡと呼ばれる経済政策で凍結されたりした貯蓄預金(ポウパンサ)での損害賠償だ。
同件の解決のためには最高裁も乗り出したが、大半はまだ未解決で、最終的な解決策は、ブラジル銀行協会連盟(Febraban)とブラジル消費者保護協会(Idec)、貯蓄預金者全国前線(Febrapo)の3者合議に委ねられた。
支払額の何%を割り引くか、何回までの分割払いとするかなどの細かい点が煮詰まっていないため、賠償額はまだ確定していないが、貯蓄預金を巡る裁判は、消費者団体を通したものが97件、個人が起こしたものは110万件とされている。
銀行協会連盟との話し合いで解決が図られているのは、2団体を通して起こされた訴訟分だけだが、それでも、賠償額は80~160億レアルに達する見込みだ。協議中の3者は、今月中に合意が成立して、年内に賠償金の支払が始まるようにと願いつつ、交渉を進めているという。
前記の経済政策では、貯蓄預金凍結で家屋購入費などが払えなくなり、自殺した人なども出た。