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《ブラジル》山田彰大使が着任=日系社会との連携強化を

歓迎祝賀会の様子

歓迎祝賀会の様子

 在ブラジリア日本国大使館に特命全権大使として先月15日に着任した山田彰氏(福岡、59)が、25日本紙を訪れ、日系社会との連携強化に向けた強い意気込みを語った。
 山田氏は、東京大学法学部を卒業後、81年に入省。84年から在アルゼンチン大使館で二、三等書記官を務めたほか、12年には中南米局長に着任。14年からは日系企業進出が過熱するメキシコにて特命全権大使を務めていた。
 中南米事情に精通する大使だが、日系社会との繋がりは学生時代に遡る。入省前の76年、福岡県青年商工会議所のミッションで、ブラジル、メキシコ、アルゼンチンの三ヵ国を廻り、「中南米の広大さを肌で感じ、将来性に満ちている」と感じたという。
 14年安倍首相来伯の際には、中南米局長として同行。「『各地で日系人との会合の場を用意して欲しい』と総理自ら指示された」と言い、サンパウロ市文協で開催された歓迎会では、「当初予定にはなかったが、政府専用機の出発時間までも変えて、千人近くと記念写真を行った」と振り返った。
 「総理自らそういう姿勢を見せたことで、日系社会に対する本気を感じ、官邸や官僚も動き出し、物事が色々進んでいくようになった」と続け、それがおよそ17年振りとなった有識者懇談会報告書の提出に繋がったようだ。
 翌年の移民110周年に向けては、「外国にお出掛けになる成年皇族が減りつつあるという現状もあるが、皇室の方に足を運んで頂けるよう色々な形で働きかけていく」と意欲を見せた。
 山田大使は、「入省前から日系社会との関りがあり、入省後も日系社会との関係強化がずっと持ち続けていたテーマだった」と語り、「日系社会の皆様と連携し、皆さんが日系人としての誇りを感じて頂けるよう大使として努力していきたい」と抱負を語った。
 また、同日午後7時半からは、サンパウロ市文協内貴賓室で開催された日系諸団体主催による歓迎祝賀会が開催された。
 日系諸団体を代表して挨拶した呉屋会長は、「移民110周年に向けて山田大使の中南米諸国での経験は、大きな力になると信じている」と協力を求めると、山田大使も「連邦区に篭らずに、積極的に色々出かけていきたい」と流暢なポ語で応え、出席者からは称賛の声が上がっていた

 

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 山田大使の趣味は将棋で、日本のNPO団体『世界に将棋を広める会』の理事も務めている。同会サイトによればメキシコ大使時代には、「メキシコ人の将棋の会合」を大使館で開き、現地人らと普及方法を議論したとか。メキシコ国立大学の将棋クラスにも参加したそう。中南米局長時代には当地の将棋連盟を表敬訪問しており、連盟関係者によれば棋力も相当なものだという。10月15日に行われる当地名人戦はなんと70周年の記念大会。参加が期待される。