【既報関連】J&Fグループの社主、ジョエズレイ・バチスタ氏の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を無効にしかねない録音証拠については6日付本紙でも報じた。その録音の中で、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官自身が、デラソン了承前にジョエズレイ氏らの計画について知っていたと語られており、問題となっている。6日付現地紙が報じている。
ラヴァ・ジャット作戦の担当検事だったマルセロ・ミレール氏が、4月に検察庁を去る前の3月17日の時点で既にジョエズレイ氏らと面識があり、デラソン作成に関与した疑いがあることは6日付でも報じた。5日にヴェージャ誌が随時公表して行った録音証拠が正式に公表され、ジャノー長官も、デラソンの内容を事前に知っていた疑いが浮上した。
ジョエズレイ氏と、同グループ理事で報奨付供述者の一人のリカルド・サウジ氏が3月17日に行った会話の録音には、サウジ氏が「今のままの証言じゃ弱いとマルセロ(・ミレール)は言っている。もう少し決め手がほしいと言っているが、この内容で良いのかな?」とジョエズレイ氏に尋ねるところがある。
それに対してジョエズレイ氏が、「マルセロはもうジャノーに、僕たちがまだ話すことをたくさん持っていると伝えてあるから大丈夫だよ」と返事をし、「(ミレール氏を味方につけた上に)一番必要としていたジャノーを抑えているんだぞ」と興奮気味に語っている。
ジョエズレイ氏らは録音で、連邦警察でグリーンフィールド作戦を担当したアンセルモ・ロペス捜査官に既に話をしており、アンセルモ氏が検察官のトップであるエドゥアルド・パレーラ氏に話をし、さらにそれをパレーラ氏がジャノー氏に伝えてあるので、ジャノー氏は知っている、と語っている。
さらにジョエズレイ氏は「デラソンは絶対に了承される。僕たちは逮捕なんてされない。できる限りのことをやるまでだ」と息巻いてもいた。
一方、ジャノー長官は4日、バチスタ兄弟とは司法取引のための話し合いをはじめた3月27日以前には会ったことはないと話していた。J&Fグループと検察庁との間の司法取引は4月7日にまとまっている。
この録音には最高裁判事の名前なども出てきており、物議をかもしていたが、ジョエズレイ氏とサウジ氏は5日にこの録音に関して謝罪を行い、「ここで語られていることは嘘だ」と語った。
だが、この録音に関しては、早速、厳しい反響が起きている。法学者や弁護士たちの見解では、検察庁がデラソンは無効にしても証拠は有効にしようとしていることに関し、「検察官が関わっていたのなら証拠も無効」との見解を示した。また、ラヴァ・ジャットで容疑をかけられている政治家たちからの反発も避けられないだろう。