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ブラジル人子弟が路頭に迷う?=トランプ大統領が爆弾宣言

 米国のトランプ大統領が5日、オバマ前大統領が12年に出した、米国に到着時は16歳以下だった不法移民の子供達に米国滞在のためのビザを与えたりする法令(Daca)廃棄を宣言し、ブラジル人子弟達の間にも動揺が広がっていると6日付ブラジル国内紙が報じた。
 トランプ大統領は「私は、大半が成人となっている子供達を、親の不法行為ゆえに罰する事を好まない」としつつ、米国は法治国家である事を今回の宣言の理由とした。
 Decaでは、米国到着時に16歳以下、12年6月15日現在で31歳未満、07年以降、継続して滞在している、犯罪歴がないという諸条件を満たす不法移民の子弟には、研修や就労を認める2年間有効なビザを発行している。高校入学や軍隊入隊も可能で、ビザは更新出来る。だが、同法令は不法移民の子弟の強制送還回避のためで、将来的な市民権や永住権獲得は保障しない。
 Dacaの恩恵を受けて暮らしている不法移民の子弟は約80万人いるが、議会が新たな法令を作らない限り、ビザ更新が出来なくなり、強制送還の対象となる。同宣言後、ホワイトハウスの前には多数の人が集まり、抗議行動を行った。
 抗議行動には、両親が強制送還されたが、自分は勉学を続けているブラジル人子弟やニューヨーク市長らも参加した。先週、不法移民の子弟を強制送還する事に反対する声明を出した、フェイスブックやアップル、Google、マイクロソフトといった多国籍企業も、一斉に抗議の声を上げている。