ホーム | コラム | 樹海 | 白昼のバスで射精した男性、13年の罪で有罪に

白昼のバスで射精した男性、13年の罪で有罪に

 8月29日昼過ぎ、サンパウロ市のパウリスタ大通りを通るバスの中で、27歳の男性が通路側の椅子に座っていた23歳の女性の前で性器を取り出し、射精するという事件が起きた。この男性は翌日釈放されたが、9月2日もブリガデイロ・ルイス・アントニオ大通りを通るバスの中で女性に性器を押し当てて自慰行為を行い、逮捕、拘留となった▼2日の身柄拘束は8年間で17回目だから、まさに〃病的〃だ。この男性は4日、13年9月にバスの中で犯した性的暴行で2年の禁固刑を言い渡された。この時は、太ももに触れられた女子大生が、混んでいたから起きた事位に思って電話で話し続けていたら、スカートの中に手を差し入れ、下着の上から性器に触れてきたという。男性は同日、2012年にも10カ月拘留されたと告白している▼公的な場所で無理やりキスされたり痴漢行為に遭ったりしたせいで、体が硬直し、声も上げられない程の状態に陥っても、強姦にはあたらないと見なされて涙を飲んだり、バスや地下鉄に乗れなくなったりする人は多い。性器を押し付けたり、本人の意志に関わりなく体に触れたりするのは「性的な暴力」と認める人は94%に上るとの全国調査の結果も出ているが、冒頭の例を扱った判事は、肉体的、倫理的な暴力ではないと見なして男性を釈放した▼この判事に対しては現実とかけ離れた判断だと非難する声が出ており、下院には性的犯罪に対する罪を重くする法案も提出されたが、5日にはレシフェ大都市圏のバスの中でも、27歳の妊婦が23歳の男性に精液をかけられる事件が起きている。男性至上主義の中、女性が泣いたり怯えたりしなくて良くなるのはいつ? (み)