ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》パロッシ元財相がルーラへの3億レの贈賄計画暴露=O社のエミリオ氏が提案=別荘や土地などもセット=ジウマ政権での利権喪失恐れ

《ブラジル》パロッシ元財相がルーラへの3億レの贈賄計画暴露=O社のエミリオ氏が提案=別荘や土地などもセット=ジウマ政権での利権喪失恐れ

2005年当時のパロッシ被告(Agencia Brasil/Arquivo)

2005年当時のパロッシ被告(Agencia Brasil/Arquivo)

 ルーラ、ジウマ政権で重要閣僚だったアントニオ・パロッシ被告が6日、パラナ州連邦地裁で行われたラヴァ・ジャット作戦(LJ)の裁判で、ルーラ氏が、2010年にオデブレヒト社と3億レアルの贈収賄の約束を交わしたとの爆弾発言を行った。7日付現地紙が報じている。

 ルーラ政権で財相、ジウマ政権で官房長官を務めていたパロッシ被告は6日、サンパウロ市にあるルーラ研究所用の土地や、サンパウロ大都市圏サンベルナルド・ド・カンポ市にある、ルーラ氏宅の隣の新しいアパートの不正授受の件での裁判で被告尋問を受けた。
 前者は1240万レアル、後者も54万レアルの価値があるが、オデブレヒト社からの賄賂として無償提供された疑いが持たれている。同件の裁判では、ルーラ氏やマルセロ・オデブレヒト氏、パロッシ氏らが被告となっている。
 パロッシ氏はセルジオ・モロ判事からの尋問に答え、ルーラ元大統領が2010年末に、オデブレヒト社から3億レアルという巨額な贈収賄工作を提案され、それを受け入れたと発言した。
 パロッシ被告が「血の契り」と呼ぶ贈収賄工作は、LJでの贈収賄工作の中心人物とされている同社元社長のマルセロ・オデブレヒト被告ではなく、先代でマルセロ氏の父、さらにルーラ氏の古くからの親友としても知られるエミリオ・オデブレヒト氏が提唱したという。
 パロッシ氏によれば、エミリオ氏はルーラ氏にサンパウロ州アチバイアの別荘改築、ルーラ研究所用の土地やサンベルナルド・ド・カンポのアパート購入、手取り20万レアルの講演会開催、さらにルーラ氏と労働者党(PT)に対する3億レアルの賄賂などを約束したという。ただし、ルーラ研究所はオデブレヒト社が購入した土地以外の場所にある。
 パロッシ氏は、今回の裁判で上げられている容疑は全て事実と認めた上で、エミリオ氏はルーラ政権からジウマ政権に代わることで事業契約などが従来のようにスムーズに結べなくなることを恐れ、ルーラ氏の仲介を求める意味で、予想を超えた規模の賄賂を提供してきたという。
 エミリオ氏の懸念材料は、ジウマ氏がルーラ政権の官房長官だった時にマデイラ川流域での二つの水力発電所建設に関して揉め事が起き、一方の事業を落札し損ない、もうひとつも安値での落札を余儀なくされたことなどだった。
 パロッシ氏によれば、ルーラ氏は2007年にペトロブラス内部での汚職について、同氏に質問してきており、それを嫌う素振りもみせたが、その後に岩塩層下の油田が見つかり、国外投資が入り始めると、汚職防止対策を棚上げしてしまったという。
 パロッシ氏はルーラ氏らと共にLJの捜査妨害対策も練っていたが、同件は今回の裁判とは無縁のため、それ以上の尋問は行われなかった。
 なお、同裁判でのルーラ氏の被告尋問は13日に行われる。また、ルーラ氏とジウマ氏は6日、検察庁からLJの捜査妨害で告発を受けている。