ブラジル中央銀行の通貨政策委員会(Copom)が6日、経済基本金利(Selic)を1%ポイント(%P)切り下げ、8・25%とする事を全会一致で決めたと7日付現地紙が報じた。
今回の基本金利引き下げは連続8回目で、インフレが予想以下の低率である事や、景気回復が期待したペースに乗らない事などを理由に、1%P切り下げとなった。今回の金利は、12年10月~13年4月の7・25%には及ばないが、15年7月~16年10月の14・25%より6%Pも低くなっている。
中銀は6日、16年10月に始まった金利切り下げは長くは続かない事と、今後のペースは落ちる事を明らかにした。だが、直近12カ月間の累積インフレは2・46%で、4・5%±1・5%Pという政府目標以下である事などから、10月と12月のCopomで更に0・75%Pと0・5%P切り下げられ、年7%で今年を終えるとの見方も出始めた。
基本金利が下がると、銀行から受ける融資などの返済金利も下がり、企業家や消費者が貸付や融資を利用しやすくなる。貸付を利用した家屋購入や改築、分割払いによる物品購入などの形で家庭消費が伸びれば、国全体の経済活動が活性化し、景気回復を促進すると考えられている。
一方、基本金利が8・5%を割り込んだ事で、貯蓄預金(ポウパンサ)の利息は、従来より低くなる。貯蓄預金の利息計算方法は12年5月4日から変わり、基本金利が8・5%以上なら6・17%+参考金利(TR)だが、8・5%を割り込むと、基本金利の70%(8・25%なら5・78%)+TRとなる。
これは、基本金利が下がった時に、投資ファンドから貯蓄預金に乗り換える顧客が続出するのを防ぐための措置だ。
CDB110%と呼ばれる投資ファンドは年利8・14%で、2千レを投資して1年経てば、元金+利息は2179・08レとなる。だが、所得税(17・5%、31・34レ)を引いた手取りは2147・74レだ。
管理費が1%かかるFundoDIは、年利が8・14%でも、1年後は所得税を引く前で2141・39レ、所得税を引いた後は2116・64レとなる。
一方、貯蓄預金は管理費や所得税を引かれないため、基本金利が8・25%の時に2千レを預金すると、5・78%の金利でも、1年後には2115・50レを受けとる事が出来るし、引き出しの時期も自由だ。
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