金曜の夜、ナイトクラブに行った。大音量で流れる音楽に合わせて、若者が所狭しと踊っている。奥に進むと明るく照らされた一畳ほどの場所で、彫り師が客の左腕にタトゥーを彫っていた。客は「かっこいいだろ」と言わんばかりに見せ、笑顔を作った。
なぜここでタトゥーを入れるのか不思議だったが、すぐ後に別の客が入れ始めたところを見ると人気のよう。タトゥーを入れる本人も回りも、ファッション同様、気軽に楽しんでいる。
一方日本では大分違う。15年に観光庁が全国の温泉施設を対象にしたアンケートには、タトゥーがある人の入浴を「拒否している」もしくは「隠すなど条件付で許可している」との回答が7割近くに及んだ。
とはいえ、外国人旅行者が「愛」「平和」の文字とかの入れ墨をしているのを見て、そのスジの人と勘違いする温泉経営者は少ない。万が一いたとすれば、その頭の固い経営者の方が、もっと異文化理解を深める必要があると思う。(陸)