労働者党(PT)政権の時代でも、ブラジルにおける貧富の差はさほど変わっていなかったと、11日付フォーリャ紙が報じている。
同紙が掲げたのは、フランスの調査団体WIDが割り出した最新データで、2001年~15年の国民の間の富の分配がどのように行われていたかが示されている。
それによると、「ブラジルで最も裕福な10%の国民」は、2015年にブラジルの富の55・3%を占めていたという。2001年の場合は54・3%だから、むしろ裕福な人たちによる富の独占が増えたことになる。
ブラジルはこの15年間に61%の経済成長を記録しているが、その成長も富裕層が吸収してしまったことになる。
また、「最も貧しい方から50%の範囲の人」が持つ富も、2001年の11・3%から12・3%と1%増えたに過ぎない。
PT政権は2003年のルーラ政権で始まり、15年のジウマ政権まで続いたが、ボルサ・ファミリアなどの福祉政策で貧富の差が縮まったように言われていた割には、格差は縮小していないことになる。
また、ブラジル以外の国に目を移すと、上位10%の富裕層が国の富を独占している割合は、アメリカで47%、中国で41%、フランスで32%となっている。