ブラジル漫画協会(Abrademi、佐藤フランシスコ紀行会長)と三重県人会(下川孝会長)の共催する講演会『日本の歴史』(全9回)の第6回目が、先月13日、同県人会館で開催され、200人余りが熱心に聞き入った。
江戸時代に焦点を当てた今講演は、およそ3時間に及び、徳川歴代将軍、当時の法令、大衆芸能など内容は多岐に渡った。なかでも、天草四郎に代表されるキリシタン弾圧の歴史については、日本の教科書より手厚く取り上げられた。
講師を務めた佐藤クリスチアネさんは、「ブラジルの歴史はキリスト教との関わりが強く、ブラジル人はカトリック教徒が多い。だから、日本でキリスト教がどのように受け止められていたのか関心がもたれている」と説明した。
また、「日本の場合、宗教対立でなく政治上の理由で迫害されたというのが特徴。長崎で起きた日本26聖人の処刑や、多くの隠れキリシタンが犠牲になったことは衝撃だったかもしれないが、今まで知らなかった日本史に触れてもらいたかった」と考えを示した。
初めて聴講したブルーノ・イバーハさんは、「フェイスブックの告知を見て、講演のことを知った。元から江戸時代が好きで、サムライの格好のコスプレもしたこともある。今日は詳しい歴史を学べてよかった」と満足げに語った。
講演会は12月まで開催され、近代までの流れを追う予定。クリスチアネさんは、「今後もブラジルと日本を比較しながら関心を引く内容にしたい。例えば、日本は自然災害が歴史上の分岐点になることがあるが、ブラジルにはそれが少ない」と意気込みを語った。