食肉大手JBSの共同経営者でJ&Fグループ社主でもあるジョエズレイ・バチスタ容疑者らの報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)を手伝った疑いが持たれている、マルセロ・ミレール連邦検察庁元検事が、まだ検察庁在籍時にJBSとの関わりがあったことをうかがわせるメールが浮上してきたと、12日付現地紙が報じている。
ミレール氏の存在は、5月のJBSショックでテメル大統領に容疑がかかりはじめた時から注目されており、大統領はその関与を疑っていた。
さらに、4日に公表されたジョエズレイ、リカルド・サウジ両容疑者の会話の中で、ミレール氏が検察庁在籍中の3月17日の時点でJBS関係者の供述に実質的に関与していた可能性を示す発言が飛び出し、それが10日の両容疑者逮捕にもつながっていた。
ミレール氏は録音に名前を出されたことを不服としているが、検察庁の要請で、同氏が勤める法律事務所「トレンチ・ロッシ・ワタナベ」が6日に提出したメールの中からは、同氏とJBSの関係を疑わせる内容のものが見つかっている。
ひとつは、法律事務所に着任するちょうど1カ月前の3月5日に、同事務所のエステル・フレスキ氏から転送されたメールだ。それはジョエズレイ氏の弁護も務めるJBSの司法担当理事、フランシスコ・デ・アシス・エ・シウヴァ氏からのもので、その題は「コンプライアンス(法的遵守)―上級機密事項」とされていた。シウヴァ氏は2月にミレール氏と会っており、J&Fグループが開設準備中だった汚職対策部門にミレール氏を迎えるため、同法律事務所からの派遣を求める契約書締結を望んでいた。シウヴァ氏は契約書の送り先はJBSではなく、JFインヴェストメントにするよう求めている。
フレスキ氏は同日、ミレール氏にメールを転送し、フランシスコ氏から送られた契約書の内容に関する意見が聞きたいと書き記した。フレスキ氏はさらに、3月31日にその意見を基に自身が手を入れた契約書をミレール氏に送付している。
連邦検察庁在籍者が、事務所に入る1カ月前の時点で、J&Fグループ内での仕事に加わることになっていたことが、検察側の捜査に何らかの影響を与えた可能性は検察庁内でも問題視されている。さらに、前述の問題の録音が行われたのはこの12日後の3月17日だ。逮捕中のジョエズレイ氏は「ミレール氏と最初に会ったのは3月初旬」と語っている。
ミレール氏は「検察庁への辞表は2月23日に出しており、それ以前には検察庁と重複する仕事はしていない」と語っているが、2月14日に前述のフレスキ氏に送ったメールでは、「前日話した社会経済開発銀行(BNDES)からの融資の企業内での不正運用について」報告している。
JBSはBNDESから多額の融資を受けており、フォーリャ紙も先日、「JBSがミレール氏を企業汚職に詳しい検察官として招きたがっていた」と報じていた。