ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》テメル大統領=ロウレス氏絡みの疑惑で捜査対象に=最高裁のバローゾ判事が認める=サントスの港湾企業に便宜か=今週中に2度目の告発も?

《ブラジル》テメル大統領=ロウレス氏絡みの疑惑で捜査対象に=最高裁のバローゾ判事が認める=サントスの港湾企業に便宜か=今週中に2度目の告発も?

13日のテメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

13日のテメル大統領(Marcos Corrêa/PR)

 12日、最高裁のルイス・アルベルト・バローゾ判事は、テメル大統領が元側近のロドリゴ・ロシャ・ロウレス氏の要請で特定の企業に恩恵をもたらす大統領令を出したという疑惑に関する捜査を行うことの許可を連邦検察庁に出した。同大統領には今週中、この件とは別に連邦検察庁からの2度目の告発もあると見られている。13日付現地紙が報じている。

 バローゾ判事が認めたのは、連邦警察と連邦検察庁が5月18日に行った「パトモス作戦」で解析された、テメル氏と、当時下院議員だったロウレス氏が5月4日に行った通話などから生じた、サントス港の港湾企業に関する疑惑の捜査だ。
 パトモス作戦は、5月17日に報道され、18日に最高裁が承認したJBSの報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)に基づくものだ。供述者のジョエズレイ・バチスタ氏は元検察庁検事がデラソン作成に関与した疑いなどで逮捕され、デラソンの有効性も微妙な状態になっているが、同氏らが提出した証拠はまだ有効とされている。
 連警によると、ロウレス氏はこの日、サントス港の管理に関する大統領令について問い合わせており、大統領は次の週に署名すると答えている。この大統領令はサントス港の管理を行っているロドリマール社に恩恵を与えるためのものと見られており、ロウレス氏は電話の後、同社役人にも連絡を取っている。
 ロドリマール社に恩恵を与えるためと考えられる根拠は、ロウレス氏が官房長官付司法担当副主任のグスターヴォ・ド・ヴァーレ・ロシャ氏との通話で、「1993年以前に港湾管理の権利を得た企業に恩恵を与える文言を大統領令に盛り込むべきだ」と主張していたことだ。大統領令では、ロウレス氏が主張した、1993年より前に契約を交わした企業からの要請に応える内容の見直しが行われていた。
 テメル大統領に関しては、連邦警察が11日に最高裁に提出した報告書で、同大統領を民主運動党(PMDB)の下院部門の「組織犯罪の長」とする見解を示している。
 この報告書の内容は、検察庁が今週中に提出すると思われる2度目の告発を強化する。ロドリゴ・ジャノー長官の任期は17日までだが、同長官は、8月に下院が却下した収賄容疑に続き、犯罪組織形成と捜査妨害の容疑で2度目の告発を行うと見られている。
 この告発は、PMDB下院部門元ロビイストのルシオ・フナロ被告の供述に基づいている。フナロ被告は元下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告に近い人物で、バイア州のアパートから5100万レが押収された元テメル氏側近のジェデル・ヴィエイラ・リマ氏の収賄容疑での逮捕にも絡んでいる人物だ。
 最高裁では、テメル氏と親しいジウマール・メンデス判事が、ジョエズレイ氏のデラソンを承認したラヴァ・ジャット作戦報告官のエジソン・ファキン判事に批判的な言動を行うなど、対立が生まれつつあるという。