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サンパウロ市=来年のIPTUは据え置き=ドリア市長の選挙対策か

 サンパウロ市は2018年の都市不動産所有税(IPTU)の値上げを行わない意向を固めた。ジョアン・ドリア市長(民主社会党・PSDB)は、同年の大統領選、もしくはサンパウロ州知事選に出馬することが有力視されている。13日付フォーリャ紙が報じている。
 IPTUは市が税収を上げたいときに使われる代表的な税のひとつで、ジルベルト・カサビ市長時代は年に家屋で最大30%、商用物件では同45%税率があげられた。
 続くフェルナンド・ハダジ市長の時も大きく値上げしようとしたが、裁判所の判断もあり、家屋は最大10%、商用物件も同15%の値上げに止まった。値上げを試みたことはハダジ市長の人気が低下する大きな理由にもなった。
 このIPTUをどう扱うかは、市長として注目される点のひとつだったが、ドリア市長が決定権を持つ最初、つまり来年18年のIPTUは、年間インフレ率分のみ(予想は3%ほど)の調整にとどめ、実質的に据え置きする決断となった。
 サンパウロ市の17年の税収見込みはサービス税(ISS)127億レアル、IPTU82億レアル、所得税(IR)20億レアル、不動産所得税(ITBI)18億レアルの、計247億レアルほどとなっている。
 これに、サンパウロ州と国から支給される援助金や罰金などで261億レアルが入ってくる見込みだ。これらを合計した17年度のサンパウロ市の歳入(予算)は508億レアルだ。
 市が18年のIPTU据え置きを決めた背景には、ドリア市長が18年10月の大統領選、もしくはサンパウロ州知事選へ出馬するのが有力とされていることがある。ドリア氏の政治家としての後見人でもあるジェラウド・アウキミン・サンパウロ州知事も大統領選出馬を強く希望しているため、ドリア氏が大統領選に出馬する場合はPSDB離党もありえるが、いずれにせよ、出馬の場合、来年4月には市長を退くことになる。