ホーム | ブラジル国内ニュース | ルーラ=「パロッシは冷血、嘘つき!」=元財相、右腕を罵り倒す=エミリオ氏との関係も否定=モロ判事と緊迫の場面も

ルーラ=「パロッシは冷血、嘘つき!」=元財相、右腕を罵り倒す=エミリオ氏との関係も否定=モロ判事と緊迫の場面も

13日、裁判の前に支持者に支えられるルーラ氏(Gibran Mendes)

13日、裁判の前に支持者に支えられるルーラ氏(Gibran Mendes)

 【既報関連】ラヴァ・ジャット作戦で被告となったルーラ元大統領(労働者党・PT)は13日、パラナ州連邦裁判所で裁判で被告尋問を受け、自身の政権で財相をつとめたアントニオ・パロッシ被告が6日の同裁判で行った発言に関し、「嘘つきで冷たく計算高い人物だ」と罵った。14日付現地紙が報じている。

 パラナ州連邦地裁で行われている裁判は、ルーラ氏がオデブレヒト社より、サンパウロ市のルーラ研究所用の土地や、サンパウロ大都市圏サンベルナルド・ド・カンポ市にあるルーラ氏宅の隣の新しいアパートの不正授受を行った件、およびそれに伴う資金洗浄に関するものだ。
 この件で同社は、前者で1250万レアル、後者で50万4千レアルに値するものを無料でルーラ氏に提供しており、形を変えた賄賂の疑いがあると、連邦警察は報告している。
 この裁判では、これらの物件提供時の交渉役となったと目され、自身も被告となったパロッシ氏が、一足早く6日に被告尋問を受けている。同被告はその際、ルーラ氏がオデブレヒト社のマルセロ・オデブレヒト社長(当時)の父で親友のエミリオ氏と、総額3億レアルにも上る「血の契り」を結んだと証言し、話題を呼んでいた。
 ルーラ氏はこの日、パロッシ氏の証言は「嘘だ」、「彼は冷血で計算高い男だ」と断言し、自身の後継者と目されたこともあり、かつては一番の愛弟子だったパロッシ氏を罵った。
 ルーラ氏はパロッシ氏を称して「彼は非常に賢い男だから、嘘を真実よりも本当のことのように語ることができる」とし、「(今後予定されている連邦警察への報奨付証言も)〃私だって聖人じゃない〃とばかりに演技をし、本当のことのように話すだろうから恐ろしい」などと語った。
 また、エミリオ氏との関係に関しては、「他の企業の役員たちとの関係と変わるものではない」という言い方で、特別な関係でもないと主張。さらに検察側が、「血の契り」に関し、ルーラ氏とエミリオ氏が2010年12月30日に行ったとされる、ジウマ氏やパロッシ氏も交えた極秘会談について話そうとすると、「君たちがおそれるべきは証拠がないことだな」「ラヴァ・ジャットもマスコミの餌食だな」と言いたい放題だった。
 さらに、2カ月前にサンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅の不正授受で9年6カ月の実刑判決を下したセルジオ・モロ判事に対しても、「敬意が足りない」と不平を言うなど、緊迫する場面も見られた。
 ルーラ氏はこれまでに9件の疑惑で起訴され、その内6件で被告となっているが、18年の大統領選までに2審まで進みそうなのは、前述の三層住宅の件のみだ。