連警が14日朝、アララト作戦の一環として、ブラジリアのブライロ・マッジ農相のアパートなど、63カ所で家宅捜索を行ったと同日付現地紙サイトが報じた。
アララト作戦はマット・グロッソ州(MT)で起きた、ダミー会社などを使った贈収賄と資金洗浄、犯罪組織形成について捜査するもので、2013年に始まった。今回のマレボウジェ作戦は第12弾にあたる。
今回の作戦は、8月に最高裁が承認した、MT元州知事のシウヴァル・バルボーザ容疑者と同容疑者の元秘書で弁護士のシウヴィオ・セーザル・コレア・アラウージョ容疑者の報奨付供述に基づくものだ。
バルボーザ容疑者は、マッジ農相が州知事だった07~10年に副知事を務め、マッジ氏の上議選出馬に伴い、州知事に昇格。10年の統一選で再選した。同容疑者は知事就任中の贈収賄で15年9月14日に逮捕されたが、今年6月に自宅軟禁となっている。
同容疑者によると、シジーニョ・サントス上議が同容疑者に、マッジ農相やペドロ・タッケス現州知事、ウエリントン・ファグンデス上議が助けてくれると約束し、司法取引に応じないよう働きかけてきたという。
だが、司法取引は8月に成立し、報奨付供述の証拠の一部として、州議らが賄賂を受け取る様子を映したビデオも提出された。司法取引成立前後にはそのビデオが公開され、話題も呼んだ。
バルボーザ容疑者によると、元州財務局長のエデル・モラエス氏の供述内容を変えさせるため、マッジ農相と同容疑者が元局長に300万レずつ払った事もあるという。
マッジ農相絡みの家宅捜索は、ブラジリアの官邸とMTロンドノポリスの自宅、農相一家が経営するアマッジ社の執務室(在クイアバ)の3カ所で行われた。ブラジリアでは、エゼキエル・フォンセッカ下議(進歩党)の執務室なども家宅捜索の対象とされた。
MTでは、州議会や会計検査院、クイアバ市のエマヌエル・ピニェイロ市長宅、クイアバ市役所などに連警の捜索が及んだ。州議会では、賄賂受領時のビデオが公開されたジウマル・ファビス、シウヴァノ・アマラルら6人の州議の執務室が捜索の対象となったが、議会の運営に関わる部署は捜索を受けていない。会計検査院では14日の業務が停止された。
マッジ農相は家宅捜索を受けた後、違法な金の授受や捜査妨害を行ったり命じたりした事は、知事だった時も含め、金輪際ないと声明を出した。