ブラジル保健省が11日、最近の予防接種率低下傾向に歯止めをかけるため、全国的な多種予防接種キャンペーンを開始した。
ブラジルでは、三種混合などの予防接種義務化により、激減した病気が多いが、近年はおたふく風邪の患者が増えている上、今年は黄熱病の流行も起きるなど、予防接種のあり方が見直されている。
また、予防接種カレンダーは今年に入ってから見なおされており、C型髄膜炎や肺炎、ヒトパピローマウイルス、黄熱病などは、新たにカレンダーに組み込まれたり、接種回数や間隔に変更が加えられたりしている。
キャンペーンの対象は15歳以下の幼少年約4700万人だが、妊婦も接種できるワクチンもある。接種効果を継続させるための再接種や新しく加わったワクチンも含めた接種状態をチェックして、漏れているワクチンを接種する好機だ。
キャンペーンの期間は22日までで、通常は土曜日が休みとなる保健所も、16日は予防接種を実行する。自治体によっては、16日は学校を開放するというところもあるようなので、確認するとよい。
同省では今年既に、通常の予防接種用のワクチン1億4390万回分を各自治体に配布したが、今回のキャンペーン用に1480万回分のワクチンを追加で配布したという。
保健省によると、BCGの予防接種率は98%と高いが、2016年の場合、BCGの予防接種を受けなかった子供は76万人おり、結核に対し無防備となっている。